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ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典

2018年7月6日
インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー

法王83歳の誕生日の早朝、法王公邸で行われた長寿祈願法要で、法王に拝謁するドルジェ・ヤマキョン神託官。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

本日、83歳の誕生日を迎えられたダライ・ラマ法王は、午前7時にシワツェルの公邸にある本堂に入られ、職員や法王付きの僧侶たちによって執り行われた法王の長寿祈願法要に加わられた。神託官のドルジェ・ヤマキョンとニェンチェン・タンラは、両者ともトランス状態で法王に拝謁した。

法王の83歳の祝賀式典で、シワツェルの法話会場に集まった2万5千人を超える聴衆に挨拶をされるダライ・ラマ法王。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

長寿祈願法要が終わると、法王は公邸からシワツェルの法話会場までの500mの道のりを、時々立ち止まって、道の両側を埋める大勢の人々に挨拶をされながら介助の手を借りずに歩かれ、健康状態の良好な様子を示された。会場に到着された法王は、仏陀釈迦牟尼像の前でバターランプに火を灯されてからステージに上がられ、ステージの角から角まで歩いて約2万5千人の聴衆に挨拶をされた。そして全員が起立してインドとチベットの国歌を斉唱し、続いて法王の誕生日を祝う歌が斉唱された。

シワツェルの法話会場で、ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典の開会を宣言するラダック仏教協会のツェワン・ティンレー会長。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

祝賀式典は、ラダック仏教協会(Ladakh Buddhist Association:LBA)のツェワン・ティンレー会長による仏陀への帰敬偈と法王への礼拝の言葉で始まった。そしてティンレー会長は、ガンデン僧院前座主のリゾン・リンポチェ、ディクン・チェツァン・リンポチェ、ティクセ・リンポチェ、その他の転生活仏、僧侶と尼僧たち、さらに中央チベット政権のロブサン・センゲ主席大臣、インド連邦議会下院議員のトゥプテン・ツェワン氏、ジャンムー・カシミール州議会議員のリグジン・ジョラ氏、ラダック自治山間開発会議(Ladakh Area Hill Development Council:LAHDC)の最高責任者ギャル・P・ワンギャル氏をはじめとする地元の役人や代表者たち、そして会場に集まった大勢のチベット人やラダックの人々に向けて挨拶の言葉を述べた。ティンレー会長は法王の元気なお姿を喜び、祝賀式典に集まってくれた大勢の聴衆に向かって謝辞を述べた。

ティンレー会長は、ラダック仏教協会が釈尊の教えの存続を心より願い、法王のご助言に従って言語と文化を学ぶクラスを設けたことを報告した。そして法王には、今後もこれまでと変わらずラダックへご来訪くださることを切にお願いし、ラダックの人々から法王への誕生日の贈り物として、法王の助言を私たちが実践していくことを約束した。

ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典で、ラダックの民謡を披露するラダック歌劇団のアーティストたち。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

まず、シャム谷から来たグループが歌と踊りを披露した。

地元代表のドゥンドゥップ・ツェリン議員が亡命チベット代表者議会の声明文を読み上げた。声明文では、亡命先の地における法王の数々の業績とチベット本土の現状を簡潔に述べ、最後にインドの人々とインド政府への謝意を表した。

ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典で、歌と踊りを披露するラダック公立学校の女生徒たち。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

ラダックのイスラム教徒を代表して、イスラム教シーア派の福祉団体であるアンジュマン・イマミア協会(Anjuman Imamia)のアシュラフ・アリ・バルチャ氏が、法王の誕生日に際して祝賀の意を述べ、法王のご長寿を願う祈りを捧げた。そして、ラダックの人々は、世界平和達成の誠実な使者である法王が度々この地域を訪れてくださるという栄に浴してきたと語り、法王から助言されたように、宗教間の調和を図るために責任をもって邁進するようすべてのラダックの人々に呼びかけた。

続いて、ラムドン、マハーボーディ、ドゥク・ペマ・カルポという3つのラダック公立学校の女生徒たちが、素晴らしい歌と踊りを披露した。

ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典でスピーチをするタワン財団のマリン・ゴンボ理事長。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

タワン財団のマリン・ゴンボ理事長は、ナーランダー僧院の伝統は最初にチベットで確立された後、ヒマラヤ地方に広まったと語り、最近グルガオンで開催された会議では、ラダック、ヒマーチャル・プラデーシュ州、ウッタラーカンド州、シッキム州、アルナーチャル・プラデーシュ州からの代表と、南インドのチベット寺院の代表が数名参加し、文化とアイデンティティーについての議論が交わされたことを述べて、次のように続けた。

「会議の終わりには、ナーランダー僧院の伝統において維持継承されてきた古代インドの智慧を、ヒマラヤ全域の寺院や僧院で勉強できるようなカリキュラムとして策定することを決議しました。この計画は、僧侶や尼僧のみならず、在家信者たちも含めて想定しています」そして、ロチェン・リンポチェが法王に決議文のコピーをお渡しした。

ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典で、伝統的チベット歌劇を披露するチベット人のアーティストたち。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

続いてツェリン・チューデン氏が女性の同僚たちとともにラダックの伝統的な民謡と踊りを披露した。

ラダック自治山間開発会議最高責任者のギャル・P・ワンギャル氏は、誰でも見倣える模範を示してくださった法王に賛辞を贈った。

ウツァン、カム、アムドというチベット三域出身の3つのグループは、伝統的なチベット歌劇に由来するパフォーマンスを演じ、素朴な太鼓とシンバルの音色に合わせて歌って踊り、聴衆を魅了した。

ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典でスピーチをする中央チベット政権のロブサン・センゲ主席大臣。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

中央チベット政権のロブサン・センゲ主席大臣は、まず、本日の式典開催の労をとったラダック仏教協会に謝意を表し、次のようにスピーチを始めた。

「この美しいラダックの地で執り行われるダライ・ラマ法王14世のお誕生日の祝賀式典で、法王ご出席のもと、慈悲深いラダックのみなさんと共にお祝いできることを大変光栄に思います。みなさんは本当に幸運だと思います。多くの人々はほんの数分だけでも法王に謁見したいと祈っていますが、法王は今ここに私たちとともにおられます。しかも、3日間どころか3週間も滞在されるのです」

「法王は1935年のこの日に、チベットのアムド地方にあるタクツェル村で誕生されました。6歳のときに即位され、16歳のとき、正式にチベットの精神的かつ政治的指導者の地位に就かれました。チベットが中国共産党によって占領された後、24歳のときに亡命生活に入られ、それ以来、法王は世界に対して力強いメッセージを発信して来られました。法王は幸福、愛、慈悲の心を完璧に体現しておられる方であり、人類の平和と幸福に対する偉大な貢献をされています。その具体例として、以前より世俗の倫理観を提唱され続け、先日はデリー政府による “幸福のための教育カリキュラム” の発足式典に出席されました」

ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典で、法王に法輪を贈呈するレーとラダック在住のチベット人たち。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

レーおよびチャンタン在住のチベット人たちより、法王に金銀の法輪が贈呈され、続いて歌や踊りを披露し終えたすべてのアーティストたちが、一斉に吉祥の歌を歌った。

83歳の祝賀式典で聴衆に向かってスピーチをされるダライ・ラマ法王。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

お言葉をと促されて、法王は聴衆の表情がよく見えるステージ前方へと進まれた。

「私の誕生日の式典に、ガンデン僧院前座主のリゾン・リンポチェが来てくださいました。私はリンポチェから数々の重要な教えを授かりました。また、ディクン・チェツァン・リンポチェをはじめ多くの高僧や仏教学者の方々、そして大勢の一般市民のみなさんがここに集まってくれています。先日、レーに到着したときは曇り空で、雨が降るのかと思いましたが、カンカン照りとなりました。今日、私はたくさんのお祝いのメッセージを受け取りましたが、送ってくださったみなさんにお礼を述べたいと思います」

「先ほどラダック仏教協会の会長から、私が助言した学びと実践を実行に移す手立てを講じているとの発表があったとき、私はとても嬉しくなりました。私たちはいつも生きとし生けるものの幸福を祈っていますが、夜空を見上げると無数の惑星と星が無限大の銀河に広がり、そこには命あるものたちが無限に存在しています。この世界はそのような宇宙の一部であり、この地球上にも多くの鳥や動物、昆虫など多種多様の生き物たちが生きています。しかし、そういった生き物に対しては、私たちに出来ることはあまりありません。私たちが手を差し伸べることのできる生き物は、物理的にも、精神的にも、感情的にも私たちと同じ人間たちなのです。私の目標は、私の兄弟姉妹である人間家族に平和と幸福をもたらすことです」

ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典で、法王のお話を聴く2万5千人を超える聴衆。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「常に怒っていると、不幸な気分になり、体の不調に苦しむことになってしまいますが、他者に対する思いやりの心を持っていれば、幸せに健やかでいられます」

「私はまた、異なる宗教間の調和を図るために努力しています。寛容、愛、慈悲の心などは、どの宗教でも共通して謳っていることですが、それぞれの宗教が持つ哲学的な見解の違いによって、目的を達成するための方法が異なっているのです。このラダックの地では、宗教間の調和がよく保たれています。その調和をぜひ保ち続けてください。そして、ラダック以外の地域の人々にも、宗教間の調和を保つよう働きかけてください。それが、私たちひとり一人が自分のやり方で貢献できることなのです」

祝賀式典で、壇上の来賓に向かって話かけられるダライ・ラマ法王。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「チベットの生きた宗教と文化をこれからも維持していけるかどうかは、チベット人やヒマラヤ地方に暮らす人々の肩にかかっています。古代インドの偉大なる導師ヴァスバンドゥ(世親)は、釈尊の教えは経典の教えと実践に基づく教えという二つのカテゴリーに分類できると記しています。この2つの教えを維持するためには、よく学んで実践を積む必要があります。つまり、経典をよく読み、それを戒律・禅定・智慧という三つの実践修行(三学)を通して体験すること、すなわち学びと実践なのです」

ダライ・ラマ法王83歳の祝賀式典が終了し、公邸へ戻られる法王のお姿をひと目見ようと道に並ぶ人々。2018年7月6日、インド、ジャンムー・カシミール州ラダック地方レー(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「いつもラダックのみなさんは、『仏陀・仏法・僧伽に礼拝いたします』と唱えていますが、経典を読んで学ぶことをせず、『礼拝いたします』と唱えても、あまり重みがあるとはいえません」

そして法王は、イスラム教徒の友人たちに向かって次のように述べられて、お話を締め括られた。 「イスラム教徒のみなさんは、宗教的な教えをすべてアラーに委ねていますが、みなさんにとっても、ナーランダー僧院の伝統である論理と根拠に習熟するならば、必ずみなさんの役に立つはずです」

「私の話は以上で終わりです。みなさん、お腹が空いていませんか?」

ソナムリン・チベット人居住区のツェタン・ワンチュク氏が謝辞を述べた後、法王はシワツェルの法王公邸に車で戻られ、公邸の食堂で来賓の方々と昼食を共にされた。一方、式典に参加した聴衆の大多数は無数にテントが張られたシワツェルのグラウンドに戻り、ともにピクニックを楽しんだ。喜びに溢れたパーティーは午後遅くまで続いた。


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