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偉大なるダライ・ラマ14世法王の83歳の誕生日におけるチベット亡命政権内閣の声明

2018年7月6日

本日、偉大なるダライ・ラマ14世法王が83歳の誕生日を迎えられたこの吉祥なる機会に、一切有情の無上の救済者であり、仏陀のすべての教えの導師であり、観自在菩薩の化身であり、三界の統治者であり、平和の擁護者であり、チベットならびにチベット人の至高の指導者であられるダライ・ラマ第14世ジェツン・ジャンペル・ガワン・ロサン・イシ・テンジン・ギャツォ法王に衷心より敬意と感謝の念を捧げます。

ダライ・ラマ法王のご健康とご長命を、法王を敬愛する世界中の人々と共に内閣一同ならびに世界各地のチベット人よりお祈り申し上げます。歴代ダライ・ラマは慈悲の菩薩である観自在菩薩の化身であり、カルマに基く特別な関係でチベット人と結ばれてきました。私たちチベット人には、ダライ・ラマ14世法王のご両親に対しても、かけがえのないご子息であるラモ・ドンドゥブ様を授けてくださったことへの恩義があります。

ダライ・ラマ法王は、1935年7月6日にアムドのタクツェル村の農家にお生まれになり、2歳の時に偉大なるダライ・ラマ13世の転生者として認定されました。そして、まだ勉学の途中であった16歳の時、チベットの宗教と政治両面の最高指導者となられました。

中華人民共和国による残虐かつ不法な占拠という悲劇の中、ダライ・ラマ14世法王はチベット人にとって唯一の希望でした。法王は、チベット人の闘いを正しい方向へと導いてくださいました。法王のご指導の下で、チベット人はこの60年間にわたってチベット文化を保持し、チベット人としてのアイデンティティーを強化してきました。チベット人は生涯にわたる善き行ないや功徳を通じてダライ・ラマ法王と結ばれているのです。

若きダライ・ラマ法王は、強迫の下で調印された17か条協定に従って、また1954年の北京訪問で毛沢東主席と周恩来首相から得た確信に基いて、チベットと中国の友好的協調の道を懸命に模索されました。しかしながら、中国政府は17か条協定の原則を退け、チベット人に対する抑圧を強め、法王の命さえも危ぶまれるようになりました。こうして法王は、余儀なくインドに亡命されたのです。

ダライ・ラマ法王は、亡命先のインドにおいて数々の困難を乗り越えて亡命チベット代表者議会(CTA)を設立され、宗教的および文化的な再建を果たされました。法王のリーダーシップ、そしてチベット政府の民主化という法王のビジョンの下で、亡命チベット代表者議会は民主的に行政的責任を果たすと同時に根本要素としての仏教的な精神的価値に恵まれた独自のシステムを持っています。亡命チベット代表者議会は、合法的かつ民主的なチベット人の代表です。

2011年は、チベット人にとって分岐点となりました。ダライ・ラマ法王がご自身の政治的最高指導者としての権限を移譲することを発表されたのが、この年だったからです。今日、亡命チベット代表者議会は自由を求めて先頭に立ち、希望を持って、中国政府との対話によるチベット問題の解決を模索しています。また同時に、亡命生活がさらに長引いた場合のための長期的かつ明確なビジョンも用意しています。

ダライ・ラマ法王は4つの使命をお持ちです。それは、①人間価値の促進 ②異なる宗教間の調和 ③チベットの自然環境、チベット人のアイデンティティー、チベットの文化ならびに宗教の保護 ④法王の生涯にわたるビジョンと使命を定義づけてきた世俗的倫理の促進ならびに古代インド哲学の復興 です。

法王は、愛や思いやりなど人間の根本にある世俗的倫理を包含した、頭と心の両面の成長を考慮した現代教育が必要であることを常に提唱してこられました。そして去る7月2日、法王は、デリー政府の公式カリキュラムとして「幸福のための教育カリキュラム」を立ち上げられました。これにより、インドの首都デリーでは幼稚園から第8学年までの1,000校において、心の健康と幸福に焦点を当てた教育が導入されます。

「心の科学」はナーランダー僧院の伝統に基いていることから、ダライ・ラマ法王は、ナーランダー僧院の伝統をはじめとする古代インド哲学の伝統と教えの保護ならびに促進をご自身の使命として取り組んでこられました。法王は、ナーランダー僧院の導師たちの教えやその著作である古典テキストに基いて心理学や弁証法などの古代インド哲学を学ぶことの大切さを常々説いてこられました。また、過去30年間にわたって量子物理学者をはじめとする著名な科学者たちと対話を行われ、主として仏教哲学の見解を論じてこられました。その結果、現在では多くの科学者が仏教哲学に関心を持っています。また、こうした科学者たちによって心と生命会議が開催されるようになり、マインド・アンド・ライフ・インスティチュート(心と生命研究所)が設立されました。

ダライ・ラマ法王の不断の努力は世界中で讃えられ、ノーベル平和賞や国連地球賞、米国議会名誉黄金勲章、テンプルトン賞をはじめとする150以上の賞が授与されています。

生きとし生けるすべてのものに対するダライ・ラマ法王の揺るぎない愛情は、子供に対する親の愛情といってもよいでしょう。私たちチベット人は、たとえ百劫という長い年月をかけても、この御恩をお返しすることはできません。法王に対する私たちの帰依の心は存続し続けるのです。ゆえに、チベット人一人ひとりが法王の教えを実践することが最も大切なのです。

最近、ダライ・ラマ法王が不治の病であるという立証不可能なニュース記事が書かれ、事実無根の憶測が飛び交いました。このことで、チベット人のみならず、世界中の支持者の方々にご心配をお掛けしたかもしれません。本日、この場をお借りして、法王の健康状態はきわめて良く、心配の余地はまったくないことをお伝えしたいと思います。

また先日、ドナルド・トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による米朝会談が行われた際には、ダライ・ラマ法王は両首脳のイニシアチブを歓迎する声明を発表され、個人の間であれ国家の間であれ、唯一の問題解決の方法は対話であり、これはご自身の信念でもあることを強調されました。これを踏まえ、私たちは中国政府に対し、ダライ・ラマ法王の特使との対話を再開するよう強く求めます。またこの場をお借りして、私たちは独立を求めてはいないことを再度強調しておきます。私たちは今後も中道のアプローチに断固として取り組み、中華人民共和国という枠組み内での真の自治を求め続けます。

中道のアプローチは、非暴力、真実、和解の精神に基くものであり、対話を通して中華人民共和国と協働し、チベットの文化・言語・自然環境・アイデンティティー・宗教の保護を求めるものです。このアプローチの心髄にあるのは、チベット本土のチベット人の不屈の回復力です。チベットの自由を求める運動の原動力は、チベット本土のチベット人なのです。

チベット本土では人権侵害が広がっています。中国政府の権力下で、組織的かつ深刻な人権侵害が今も広がり続け、チベット人は政治的、経済的排除のみならず社会的排除に直面し続けています。

中華人民共和国の抑圧的な支配に抗議して焼身したチベット人の数は152人に上ります。この全員がダライ・ラマ法王のチベット帰還とチベット本土のチベット人の基本的自由を求めており、その内130人が命を落としました。法に適ったチベット人の訴えに対し、中国政府は不平の解決に取り組むどころか、焼身抗議者とその家族を犯罪者扱いしています。

いかなる行動や意見も、中国政府が好まないことは重大な罪になりかねません。チベット本土のチベット人には、中国の憲法に記された基本的人権を持つことさえも許されていないのです。

チベット人がチベット語を学ぶ権利を求めていたタシ・ワンチャク氏は、「分離主義扇動罪」で懲役5年を言い渡されました。タシ・ワンチャク氏は、これを上訴しています。私たちはタシ・ワンチャク氏を支援し、チベット人の言語権を中国憲法の規定に従って擁護することは犯罪ではないことを繰り返し述べたいと思います。同時に、タシ・ワンチャク氏が早急に釈放されるよう強く要請します。また、タシ・ワンチャク氏の解放を求めてくださっているすべての皆様に、心からの感謝の意を表明したいと思います。

パンチェン・ラマ第11世ゲンドゥン・チューキ・ニマ師は、この23年間にわたり行方不明のままです。今年4月25日のパンチェン・ラマ11世の29歳の誕生日には、米国上院議会において、「将来のダライ・ラマ15世を含むチベット仏教の宗教的指導者を独自に認定および就任させようとする中華人民共和国政府の試みは、チベットや米国をはじめとする世界中のチベット仏教徒の信教の自由に対する不当な干渉である」とする決議が可決されました。

この決議により、米国上院議会がチベット人の基本的人権と自由を支援してくださることが確実となりました。さらに議会は、中国に駐在する米国大使にもパンチェン・ラマ第11世ゲンドゥン・チューキ・ニマ猊下に会うよう要請しました。同様に、6歳で世界最年少の政治犯にされ、中国当局によって連れ去られたパンチェン・ラマ11世を釈放するよう、米国から中国政府への要請がなされることが、米国務省が発表した声明によって再確認されました。

チベット人の非暴力の闘いは、世界中の平和を愛する人々や政府から支援と結束をいただいてきました。

この特別な機会に、世界中の政府や組織、個人の皆様の揺るぎない支援に対し、深い感謝の意を表明いたします。とりわけ、チベット人を迎え入れ、揺るぎない支援を続けてくださっているインドの政府と国民の皆様に対し、心からの感謝の意を表明いたします。

最後に、生きとし生けるすべてのもののために、偉大なるダライ・ラマ14世法王のご長寿を、全チベット人を代表してお祈りしたいと思います。法王のすべての願いが実現しますように。そして、チベットの非暴力の大義が勝利しますように。

2018年7月6日
チベット亡命政権内閣
(翻訳:小池美和)

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