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埼玉医科大学ご訪問

2016年11月26日
埼玉

ダライ・ラマ法王は、金沢の古くからのご友人宅で二日間ゆっくり過ごされた後、今朝金沢を発ち、新幹線で大宮に向かわれた。

大宮からは車で田園地帯を移動し、埼玉医科大学に直行された。法王は到着されるとすぐに丸木家のご遺族を弔問された。理事長丸木清浩氏が前日に逝去されたためである。

丸木清浩氏の父である丸木清美氏は、医大と病院の創立者であり、1965年、日本で勉強するために、当時中学生であった最初の5人のチベット人留学生を受け入れてくださった方である。その後、21人のチベット人が来日し、清美氏が創設した奨学金制度によって日本で教育を受けている。

埼玉医科大学の新キャンパスに到着された
ダライ・ラマ法王を歓迎する大学の職員と学生たち。
2016年11月26日、埼玉(撮影:テンジン・タクラ /法王庁)

医大と病院の役員たちとの昼食会を終えられると、法王は車で新しいキャンパスに移動され、医大生や教職員らから暖かい歓迎を受けた。その中には初期のチベット人学生たちとその家族の姿もあった。法王が登壇すると、創立者の孫にあたる丸木清之氏が、「猊下に埼玉医大をご訪問いただくのは今回で三度目です。丸木家の者が初めてチベット人とお会いしてから49年が経ちました」と歓迎のことばを述べ、法王が時間を割いて来校し、講演してくださることに感謝の意を表した。

法王は初めに、丸木家のご家族が三世代にわたって法王との友人関係を保ってこられたことに、感謝と敬意を表された。

「この世に誕生したならば、必ず死が訪れます。時は絶えず移り変わっていきます。そして、それこそがものごとが変化する理由です。私たちは誰でも生まれたら必ず死ぬことを知っています。しかし、大切なことは、生きている時に自分の人生を意義あるものにすべきだということです」

「お父さまの丸木清美さんも、昨日亡くなったご子息の丸木清浩さんも、他の人々のために、特にチベット人のために大変親切にしてくださった方です。私たちが亡命した直後は、チベットで何が起きたかを知っている人は非常に少なかったのですが、私たちにとって最も困難なその時代に、お父さまの丸木さんはチベット人たちに救いの手を差し伸べてくださいました。私たちはこれからも決して感謝の気持ちを忘れることはないでしょう」

「ここにいらっしゃる丸木清之さんは丸木家の三世代目を代表される方であり、チベット人に対する深い配慮を示してくださっています。お父さまやおじいさまと同じように、私たちへの支援を続けてくださると約束してくださったことに、心からの感謝を申し上げたいと思います」

法王は、思いやりの心の大切さを強調され、次のように続けられた。

埼玉医科大学で行われた講演会でお話をされるダライ・ラマ法王。
2016年11月26日、埼玉(撮影:テンジン・タクラ /法王庁)

「この地球上には非常に多くの言語がありますが、70億人の人間の誰もが思いやりの心が大切であることに賛同し、誰もがその価値を認めています。動物でさえ同様です。真に思いやりのある人と会うと、幸せに感じ、その人と友だちになりたいと思います。しかし、怒っている人と会うと、その人から離れたいと思います」

「過去30年にわたって、私は科学者たちとの対話を行ってきました。その対話を通じて最近明らかにされたことは、私たち人間の基本的な性質は思いやり深く、やさしいという客観的事実です」

「幼い子どもは、生まれつき思いやりの心を持っており、お互いに親切です。しかし、成長するにつれて、徐々に、肌の色や国籍、経済力、学歴などの二次的な違いに捉われるようになってしまいます。これは、現在の教育システムが物質的発展に重点を置き過ぎ、私たち人間が共通して持っている内面的な価値に対して十分に注意を払っていないために起きてくるのです」

法王は、「思いやりの街」「やさしさの街」という名を掲げ、それを宣言した米国の2つの都市では思いやりとやさしさが高められている、という建設的な結果が報告されていることに言及された。さらに、子どもや若者たちに人間の価値について教え、育むための教育カリキュラムの開発が現在進められていることを話された。

法王は、特に医学生たちに向けて次のように語られた。「病気の治療にあたっては、患者さんに対してやさしく接することは医学の技術と同じくらい重要なことです」そして、ご自身の体験を例に出して、次のように言われた。「治療を受けるとき、医師や看護師の方々がやさしく親切に接してくれると、私は安心できます。しかし、ときどきあるのですが、機械的に注射を打たれ、人間的な配慮がされていないような気がすると、不安を感じてしまいます」

埼玉医科大学で行われた講演会で、ダライ・ラマ法王に
質問をしようと列をなす参加者たち。
2016年11月26日、埼玉(撮影:テンジン・タクラ /法王庁)

「日本人のみなさんはいつも真面目な顔をしていますが、もっと笑うべきです」と法王はからかわれた。「私たちはお互いに人間的な暖かさを素直に表すべきなのです」

質疑応答において、一人の学生が憂鬱な気持ちや競争のストレスにどう対処したらよいかと質問した。法王はこの学生に次のように語りかけられた。「自分自身を信じ、自信を持ってください。私たちは競争することで、成功にむけて頑張ることができます」

「選択肢があると、これかあれか、どちらが適切であるかを決められない」と悩みを語った医師に対して、「あなたが信頼している方たちに相談し、その問題についてその方たちと話し合うとよいでしょう」と法王は助言され、楽観的な態度を保つように勧められた。同様に精神科医に対しても、患者さんたちを励ますために、楽観的な態度で接するようにとアドバイスされた。

「目の前の問題にばかり気持ちを向けていると、その問題が大きく感じられ、圧倒されてしまいます。しかし、広い視野に立って問題を眺めれば、現実が見渡せて解決策が明らかになるものです」

講演を終えられた法王は、埼玉から成田空港近くまで長距離を車で移動された。成田で一泊され、明日インドへ戻られる。ダラムサラには11月28日に到着される予定である。


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