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第55回チベット民主記念日におけるチベット亡命政権内閣(カシャック)の声明

2015年9月2日

私たちは本日、チベットの民主主義が55周年を迎えたことを祝してここに集まりました。このよろこばしい機会に、私は内閣を代表して、チベット本土ならびに亡命中のチベット人の同胞と世界中の友人の皆様に、心からご挨拶を申し上げます。

チベット人の最も尊き指導者であられる偉大なるダライ・ラマ14世法王猊下がチベットの民主制度の道を入念に切り拓かれ、たゆみなく私たちを幸福へと導いてくださっていることに、内閣一同は衷心より感謝と恭敬の念を捧げます。法王が授けてくださった民主主義という贈りものは、チベット人にとって奮起と変容の源であり続けています。

チベット亡命政権が民主制度に従って完全に機能していることに、私たちは誇りを持ってよいと思います。現行の民主政治は、チベット人以外の多くの方々も称賛してくださっています。私たちの民主政治は、戦いによって勝ち取ったのでも、命を犠牲にして得たのでもありません。これは、ダライ・ラマ14世法王が授けてくださった尊い贈りものなのです。この民主政治が法王が受け継いでくださったものであることに疑いの余地はなく、私たちチベット人はこのご恩を永遠に忘れてはなりません。法王のご功績は、アメリカ合衆国上院決議 第200号においても、「ダライ・ラマは非暴力、人権、異なる宗教間の調和、環境保護、民主主義の促進を生涯の使命とし、顕著な貢献をしている」と述べられています。

55年前の今日、チベットで初めて選挙で選ばれた代表者たちが就任の宣誓をしました。以来チベット人は、この歴史的な日をチベットの民主記念日として祝してきました。その数年後の1963年には、チベットで初めての女性の代表者たちが選挙で選ばれました。さらに1977年には、ボン教の代表者も選挙で選ばれました。

偉大なるダライ・ラマ14世法王が1963年に発布されたチベットの憲法には、法王ご自身の弾劾を許可するという条項が含まれており、チベット人はこれに反対しました。1991年、亡命チベット人憲章がチベット代表者会議で採択され、さらにダライ・ラマ法王がこれを制定されて、効力を発するようになりました。亡命チベット人憲章はチベット代表者会議に権限の拡大をもたらし、ダライ・ラマ法王の指名を受けた候補者たちの中から選挙で閣僚が選出されるようになりました。1992年には亡命チベット最高司法委員会が設立され、民主主義の三本柱がそろいました。地方チベット人議会やチベット人居住地の役人もまた、チベット人居住地の住民による選挙で選出されるようになりました。

2001年には亡命チベット人憲章が改正され、中央チベット政権のトップであるカロン・トリパ(内閣主席大臣)の選出に際して初めて直接選挙が行なわれました。その成功から10年後、ダライ・ラマ法王は、ご自身の政治的最高指導者としての権限を移譲されるという前例のない歴史的改革を発表されました。そして選挙で選ばれたシキョン(政治的最高指導者、摂政)にご自身の政治的権限をすべて移譲された2011年8月8日、ダライ・ラマ法王は、チベット人に民主主義をもたらすという長年の念願がかなった、と述べられました。これほど大きな権限の移行は激しい動揺を引き起こすことが予想され、われわれ全員にとって試練となることは疑いの余地がありませんでした。しかし当初の不安とは逆に、権限の移行はほぼ滞りなく行なわれました。それは、チベット人が民主制度を強く支持していたからにほかなりません。亡命チベット社会における民主主義の実践は、仏教もまた他の伝統宗教と同じように民主主義と共存できることを証明しました。2015年11月8日と2016年1月16日には、それぞれミャンマーと台湾という二つの仏教国で国政選挙が行なわれます。これは民主主義が一般的に好まれ、国の状況や政治的条件とは関係なしにどのような国の人々にも受け入れられるものであることを示しています。つまり民主主義は、特定の文化あるいは特定の先進国に特有のものではなく、普遍的なものなのです。

まもなくチベット人は再び選挙に参加し、政治的最高指導者とチベット代表者会議の議員を選出することになります。予備選挙は2015年10月18日に、最終選挙は2016年3月20日に行なわれます。選挙においては、すべてのチベット人有権者が選挙の手順に従うことが大切です。指導者を選ぶにあたっては、チベット本土の現在の政治的状況、亡命社会の状況、チベット人の全体的な願いを考慮しなければなりません。内閣はこの場を借りて、すべての候補者とその支持者に対し、道徳と倫理を守って選挙に臨むよう強くお願いします。民主主義に込めた私たちの決意は、国際社会や中国に対しても、自由意志という民主主義の精神な明確なメッセージとなります。チベット本土の同胞たちにとっても、大きな励みとなるはずです。

世界中の人々が亡命チベット人の民主主義を心に留めてくださっています。これは私たちにとって本当に大きな励みです。4年前の政治的最高指導者の選挙はメディアだけでなく、政府の声明などでも大きく取り上げられました。たとえば米国では、上院決議 第356号において伝えられ、まもなく行なわれる選挙についても、2015年7月8日の下院決議 第337号において「亡命チベット人がその政治的最高指導者であるシキョンを民主的に選出することをより多くの人々に認識してもらい、選挙のプロセスに注目すべきである」と米国政府に明確に呼びかけられました。

第14期内閣にとっては、今日は政権を担ってから5回目の民主記念日です。年を経るごとに亡命チベット人の民主主義はいっそう熟し、より実質的な話し合いが行なわれるようになりました。「近い将来、民主主義はさらに広がり、強固になる」と、われわれは断言できます。そしてこのようにして定着した民主主義が、自由と平和を求めるチベット人の運動を支え続けているのです。

チベット本土のチベット人の苦しみを軽減するための内閣の方針は現在も変わりません。遊牧民のロンゲ・アダ氏や少数の政治犯は釈放されましたが、多くの人々は今なお中国の獄中に拘束されています。先日、トゥルク・テンジン・デレク・リンポチェが獄中で亡くなられたことは、中国政府の強硬路線が依然として続いていることの表れです。中国においては、今年はいわゆるチベット自治区の設立から50年目となり、中国指導部のトップの指導者たちが記念式典に参加するという報告もあります。しかしながら、チベット本土の現実から判断するならば、祝典を催す理由などひとつもありません。チベット人の悲願は、そして142名の焼身抗議者の願いは、いまなお果たされていないのです。

習近平国家主席率いる中国指導部には、対話こそがチベット問題を平和的に解決する唯一の方法であることを早急に理解してくださるよう望みます。内閣は、中道のアプローチを貫くことを、ここに再度断言します。中道のアプローチがチベットと中国の双方にとって有益な結果をもたらすものであることは、世界中が認め、支持しています。2015年5月、欧州連合外務・安全保障政策上級代表のフェデリカ・モゲリーニ氏は中国を訪問した際に、ダライ・ラマ法王の特使と中国政府の代表者との対話を要求してくださいました。2015年6月29日には、欧州理事会議長のドナルド・トゥスク氏もダライ・ラマ法王の特使との対話を再開するよう中国政府に要請してくださいました。トゥスク氏はブリュッセルで開かれた中国の李克強首相との共同記者会見で、「私は、中国における表現の自由ならびに連帯の自由に対するわれわれの懸念を表明しました。これにはチベット人やウイグル族をはじめとする少数民族に帰属する人々も含まれています。そしてそのような懸念があるがゆえに、私は中国政府に対し、ダライ・ラマ法王の特使との意味のある対話を再開するよう要請したのです」と述べておられます。

終わりに、内閣は国際社会の皆様に対し、とりわけチベット支援団体やチベット人の正義と非暴力の闘いを支持してくださっている個人や組織の皆様に対し、心から感謝を申し上げます。また、ダライ・ラマ法王への最上の敬意のしるしとしてチベット人難民を寛容に受け入れてくださっているインド政府とインドの皆様に深い感謝の念を捧げます。インドという偉大な国家に対するチベット人の深い感謝の念は、言葉で言い尽くすことはできません。

そして最後に、私たちの最も尊き指導者であられるダライ・ラマ14世法王猊下に、内閣は衷心よりご長寿をお祈り申し上げます。真実と非暴力によって、チベットの大義が速やかに実を結びますように。


2015年9月2日

チベット亡命政権内閣
ロブサン・センゲ(シキョン)

(翻訳:小池美和)

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