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ダライ・ラマ14世法王猊下のノーベル平和賞受賞25周年を記念したカシャク(内閣)の声明

(2014年12月10日)

600万人のチベット人を代表し、カシャクは偉大なるダライ・ラマ法王猊下に謹んでご挨拶申し上げます。 また、世界中のチベット人、友人、支持者の皆様にも心よりご挨拶申し上げます。

今日はダライ・ラマ14世法王猊下がノーベル平和賞を受賞された記念すべき日から25周年の日です。1989年、ノーベル委員会は次のような表彰をしました——「同委員会は、チベットの解放に向けた戦いの中で、ダライ・ラマが暴力の行使に一貫して反対の立場を採ってきた事実を強調したい。ダライ・ラマはチベット民族の歴史的、文化的遺産を守るべく、暴力の代わりに寛容と相互尊重に基づく平和的解決方法を求めてきた」。

過去25年にわたり、ダライ・ラマ法王はノーベル平和賞の理想を実現し、より高いものにするための揺るぎない努力を続けてこられました。法王はご自身を一介の仏教僧と見ておられ、世界中の数百万の人々にとって平和と非暴力と慈悲の輝かしい導き手であることを証明され続けてきました。人間の基本的価値の振興、宗教間の調和、平和的で暴力に頼らないチベットの仏教文化の保持というご自身の3つのコミットメントの達成に法王は休みなく取り組んで来られました。

ダライ・ラマ法王は5大陸を旅し、各国の大統領、首相、宗教指導者、国王、科学者、大学の研究者、若者、一般市民、貧しい人々、恵まれない人々に会い続け、151の主要な賞や名誉を受けて来られました。他のノーベル平和賞受賞者すら、ダライ・ラマ法王のことを「スーパー受賞者」と呼んでいます。

対話と互恵に基づきチベット問題を平和的に解決しようとするダライ・ラマ法王の揺るぎない姿勢は劇的に支持者を増やしました。チベットの良心を求めるグローバル市民は、ごく一握りのグループから、チベット人の人権のための強力な国際キャンペーンへと成長し、チベットの闘争についての様々なドキュメンタリーやハリウッド映画が制作され、本が刊行され、世界的なメディア報道を通じた支援が行われるようになりました。

ダライ・ラマ法王は、現行の国際環境や中国の内政上の立場を考慮し、かつチベット人から完全な信任を得られるような、チベット問題の互恵的な解決を望んでいます。中道アプローチが採択されてから、1979年以降、公的な交渉が終わる1992年までに、中国政府と20回以上の会談や諮問が実現しました。2002年に交渉が再開すると、ダライ・ラマ法王の使節団と中国政府の関係高官のあいだでは9回の公式の対話と1回の非公式の諮問が行われました。「チベット人のための真の自治のための覚書」は、中国憲法の枠内でチベット人の真の自治を目指すものでした。

ごく最近、中国政府が12月4日を、法の支配と中華人民共和国憲法の精神を振興していく憲法の日に定めたのは皮肉なことです。もし中国政府が真に憲法を重視するのであれば、その文言を実践するべきであり、憲法に約束されている真の自治をチベット人に与えるべきでしょう。

ダライ・ラマ法王のチベット人に対する最大の貢献、遺産は、亡命地に民主政体を打ち立てられたことです。法王は多くのチベット人の意向に反対してでも、亡命チベット人の民主化を断行してきました。それは、統治にチベット人が発言権を持つことはその最大の利益に叶うとする、法王ご自身の信念に基づいたものでした。過去25年にわたる民主化の流れには大きな節目がありました。1990年の議会による大臣の選出、1991年の亡命チベット人憲章の採択、2001年の主席大臣の初の直接選挙、そして最近、2011年に実現した、直接選挙で選出された指導者へのダライ・ラマ法王のあらゆる政治権威の移譲といったものです。法王の先見性を持った指導力に導かれて中央チベット政権は成長し、人々からの民主的負託を受けた自立性の高い機関へと変貌しています。

ダライ・ラマ法王はチベットとチベット人の命であり魂でもあります。ですから、第14代カシャクは2014年を喜びとともに「ダライ・ラマ14世法王猊下への感謝の年」とすることを発表しました。これは、年配のチベット人が若いチベット人にダライ・ラマ法王の人生を語り伝えることを狙ったもので、そうすることでチベットの偉大なダライ・ラマ14世の遺産、ビジョン、ミッションが、将来の世代のチベット人のこころにしっかり刻まれるようにするためのものでした。

ノーベル平和賞受賞25周年を記念して、ちょうどマハトマ・ガンジーの誕生日でもある2014年10月2日に、中央チベット政権はダラムサラでイベントを開催しました。ノーベル平和賞受賞者であるシーリーン・エバーディーとジョディ・ウィリアムズもこの特別イベントを祝福してくれました。

ノーベル平和賞はこれまで個人や組織に対して送られてきました。主な受賞者とその取り組みは次のようなものです。

  • メイリード・コリガンとベティ・ウィリアムズ。ベルファスト合意を実現に導き、イギリスとアイルランドの両政府の協力に向けた道を拓いた。

  • デズモンド・ツツ、ネルソン・マンデラ、フレデリック・ウィレム・デクラーク。南アフリカに人種間の平等をもたらした。

  • アウンサン・スー・チー。自宅軟禁から解放され、母国ミャンマーの民主化のために活動している。

  • 東ティモールのホセ・ラモス・ホルタとカルロス・フィリペ・シメネス。自由な東ティモールに向けた夢を実現した。

これ以外のノーベル平和賞受賞者も自らの努力と夢の実現に成功しています。今こそは偉大なるダライ・ラマ14世法王猊下のビジョンも実現されるべき時と言えます。南アフリカで開催が予定されていたノーベル平和賞受賞者のサミットは、ダライ・ラマ法王へのビザが認められなかったため他の受賞者がサミットをボイコットし、中止となりました。このサミットがローマで開催されることになり、ダライ・ラマ法王も参加されることを我々は嬉しく思います。

今日は、1948年に国連が、あらゆる民族と国家が享受するべき自由の尺度として世界人権宣言(UDHR)を採択したことを記念する国際人権デーでもあります。残念なことに、チベット人はこの採択から66年を経た今日も、自由の享受を祝える状況にはありません。中国は世界人権宣言の規定を一貫して無視しており、チベットにおける人権状況は悪化し続けています。チベットは依然として占領下にあり、チベット人は政治的抑圧、経済的疎外、社会的差別、環境破壊と文化的同化政策に苦しんでいます。

チベットでは1959年の国民蜂起以来、無数のデモが行われ、チベット人の人権と基本的自由が求められてきました。特筆すべきは、2008年にこうしたデモはチベット人が居住する伝統的なチベットの3地方に広がったことです。このことは、全チベット人が団結しており、同じ夢を持っていることを示しています。またこのことは、全てのチベット人は一つの自治政権の下で統治されるべきだとするダライ・ラマ法王の目標とも合致しています。

焼身行為を行った132人のチベット人には、チベット高原に住むあらゆる年代、階層のチベット人が含まれていました。今年11月14日には、焼身行為で抗議を行い、生き残った者の匿名の証言がありました——「他の国と比べると、我々には宗教、言論の自由がなく、我々の宗教的指導者は祖国に戻れない。制限された状況は続いている。私は中国の攻撃の中で生きる苦しみに耐えられず、焼身行為で抗議することを考えた」。

今日は、チベットの基本的自由と人権のために命を犠牲にした人々のために祈りを捧げます。チベット人政治囚が中国で収監されていることを我々は忘れてはいません。そこには、パンチェン・ラマ11世のゲンドゥン・チューキ・ニマ、テンジン・デレグ・リンポチェ、チャデル・リンポチェなど、多くの人がいます。

これらの人々が一日も早く釈放され、彼らの夢に我々が寄り添えることを望みます。また我々は中国政府に対し、2010年ノーベル賞受賞者の劉暁波氏の釈放、そして天安門広場の悲劇から25年を経た今、そこで謳われた夢を叶えることを望みます。

真に文明化された民主的な世界は、世界のどこかに不正義がある限り達成できません。66回目の世界人権デーの今日、抑圧を終わらせ、チベットの状況の悪化を食い止める唯一の道は、中国が現行の強硬政策を変化させ、チベット人の望みを尊重することだという点をカシャクはあらためて繰り返します。

ここで、インドの国民と政府に深い感謝を申し上げます。チベット難民が達成した団結した強固なコミュニティの再建は、インド政府の絶え間ない支援なくしては不可能だったでしょう。我々はとりわけ、最近発表された、2014年チベット人福祉政策(Tibetan Rehabilitation Policy)に感謝の意を表したく思います。またインド各州の政府、とりわけチベット中央政権を迎えて入れている美しきヒマチャル・プラデシュ州に感謝いたします。我々はダライラマ14世法王猊下に敬意を表してダラムサラで行われた2日間の国際ヒマラヤ・フェスティバルに参加する機会を得られたことにもお礼を申し上げます。

最後に、世界中にいる、チベットの全ての友人と支持者に深い感謝の意を表します。我々はダライ・ラマ法王の健康な長寿を熱心に祈ることで今日という日を終えましょう。法王のお望みがすべて叶いますように。全てのチベット人が祖国で集えますように。

(翻訳:吉田 明子)

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