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中国「統一」をめざしてチベットで異民族間の結婚を推進

(2014年8月16日 ワシントン・ポスト ウィリアム・ワン、シュ・ヤンリンジン)

北京 ― 中国による60年にわたるチベット支配の中で、共産党はチベット人政治犯を投獄、チベット仏教指導者のダライ・ラマの亡命を維持、チベット人居住区ならびに文化の抑圧を行ったとして人権保護団体により非難を受けてきた。

現在、中国はその方向性を変え、異民族間の結婚を推進している。チベット人を同化して反抗的な活動を根絶する目的であることは明らかだ。

この数週間で、チベット自治区担当の中国政府は異民族間の結婚を推進する記事を地方紙に掲載させている。新しく発表された政府のレポートによると、政府は近年、異民族の夫婦を優遇する政策を行っている。

チベット自治区党書記陳全国は、異民族間結婚を強く呼びかけ異民族間結婚の19世帯とのマスコミ向け撮影会に臨んだ。政府発行の人民日報チベット版によると、陳党書記は6月の会議で「『血は水よりも濃い』という諺があるが、異民族間の関係もそうあるべきで、政府は活発に異民族間結婚を奨励すべきだ」と述べた。

現在のところ、政府の推進活動に一定の効果はあったと見られる。今月発表されたレポートではこの政策を称え、チベット自治区の共産党所有の研究所の調べで異民族間結婚は過去5年間にわたり毎年2ケタのパーセンテージで急増し、2008年の666組から2013年には4795組に増えたと伝えている。

レポートでは詳細な説明は避けているものの、異民族間結婚に対する優遇政策の効果であると伝えている。社会保障、出産の権利、休暇、褒章のほか、教育、就職、共産党党員資格など異民族間結婚で生まれた子供の特別待遇なども挙げられる。

政府当局はチベット人と漢民族との結婚に力を注いでいる。チベット自治区の人口は、チベット人およそ90%に対し、漢民族8%の割合である。中国全土の人口はこの比率の逆であり、漢民族92%に対してチベット人1%である。

政府当局はこの政策は民族の統一を目指すものだと国営メディアで発表したが、実状はチベット文化を弱体化させるのが目的だと評論家らは見ている。

これまで何度も政府当局との対立があったチベット人詩人ツェリン・ウーセルさんは、電話インタビューに答え、異民族間結婚は最悪の植民地政策だと語った。異なる民族の二人が自然に結びつく場合は何の問題もない、とウーセルさんは話す。ウーセルさん自身の夫も漢民族で反体制活動家の王力雄であるが、この事実を当局が異民族間結婚の政策推進の道具として掲げることについては誤っているとウーセルさんは語り、さらに、日本の占領下の台湾で日本人警察官が台湾人女性と結婚することを推奨していたことにも言及した。

チベット自治区では自治区政府発行の新聞紙上に数週間にわたって異民族間結婚で幸せに暮らす夫婦を取り上げた。子供たちが両方の文化を愛し、チベット語と北京語の両方を等しく話せる様子を伝えるものだ。

しかし、チベット人の間では、その文化と伝統を失うことに大きな危機感が広がっている。政府は異民族間結婚の夫婦に子供の民族をどちらにするか早期に選択させ申請することを求めている。多くの場合、チベット民族よりも漢民族を選んでいる。子供が将来より良い生活を期待できるからだと28歳の地方政府で働くチベット人女性は語った。この女性は失業を懸念して匿名で答えた。この女性は、子供をチベットではなく中国本土のより良い学校に入学させる場合が多い、また漢民族と結婚するチベット人の割合は増加しているかもしれないが、全体的に見ると現在も少数であると話す。

国営メディアによると、6月18日に陳党書記は異民族結婚の家族らとの会議に出席し、異民族間結婚を称賛し、統一国家としての祖国中国とその文化を再認識し、中国の特質に沿った社会主義への道であると述べ、また自治区政府の各機関にその権力を最大に行使してこの政策を奨励する人員配置を行うよう求めた。

中国は全土で少数民族を優遇する措置を取ってきた。これは社会に同化させるためであるが、漢民族や少数民族として確立していない集団からは批判されている。中国は一人っ子政策をとっているが、夫婦の両方または一方が少数民族である場合、子供を3人まで持つことができる。少数民族の学生は大学入試においても少数民族資格により特別点を得られる。異民族間結婚の家族は「民族統合のモデル」であるとして表彰されることも多く、政府内での役職も優遇されることがある。

中国の歴史は融和政策として異民族間結婚の事例が点在している。特に知られているのは唐の時代に王女の文成公主が吐蕃国王のソンツェン・ガンポに嫁いだ事例であり、その結果、平和条約が結ばれた。この物語を題材に昨年8月に政府による屋外ミュージカルが制作され、チベット自治区でも上演されている。

(翻訳:植林秀美)

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