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ダライ・ラマ法王、ポートランドの北西チベット人文化協会(NWTCA)を訪問
米国、オレゴン州ポートランド

(2013年5月13日 dalailama.com

ポートランドを離れる前、ダライ・ラマ法王は北西チベット人文化協会を訪問し、 70人のモンゴル人を含む約1,000人の人々に向かってお話をされました。法王の訪問中のそれまでの数日は天候に恵まれましたが、この日は地元の人がこの季節のポートランドにふさわしいと語る、曇りでにわか雨がパラつく陽気でした。

His Holiness the Dalai Lama is greeted by young children
on his arrival at the Northwest Tibetan Cultural Association
in Portland, Oregon on May 12, 2013. Photo/Jeremy Russell/OHHDL

オレゴン州とワシントン州南西部のチベット人コミュニティーであるNWTCA は、新しい地域センター(チベット語でボカン)を建設しました。ダライ・ラマ法王をお迎えするため祝賀用の入り口が設置され、法王は伝統的なチベット式歓迎で迎えられました。法王は微笑まれ、挨拶する子供たちの列に割って入りました。チベット人たちは新しい建物の各部屋に集まっており、法王は1部屋ずつ案内されました。地域センターの寺院の中に入ると法王は仏画に向かって挨拶され、集会所の戸口で開会を象徴して盾を開陳されました。法王が着席されると、協会の活動内容を記した報告書の紹介、チベットの歌の斉唱に続き、チベット人とその文化の特徴についての学生による模擬ディベートが行われました。

次に、法王は集まった地域の人々へのアドバイスを求められました。

「今日、短い時間ですが皆さんと一緒にいられることを嬉しく思います。皆さんがこの新しい建物を建設し、チベット人日曜学校をはじめとする地域行事に使っておられる様子を見て嬉しく思います」、と法王はお話を始めました。

法王は雪の国(チベット本土)について語り、考古学上の発見により、少なくともチベット高原には7,000年前から人が住み着いており、西チベットの洞窟壁画は10,000年前に描かれたと見られ、アムド地方で見つかった埋蔵物は3万年前のものである可能性があり、チベット高原における人類の歴史は数千年前に遡ることができると述べられました。また、何年も前にハーバード大学で会って話をした中国人考古学者は秘密である断った上で、チベット文明はチベットの外部から渡来したものではなく、チベット高原で始まったと考えているとの見方を法王ご自身に明らかにしたと話されました。

「伝統的な歴史書は、チベットの文字は紀元7世紀にソンツェン・ガンポ王とその宰相たちが努力して創設したものとしていますが、それ以前にも何らかの文字が存在した可能性があります。チベットの地方には様々な方言がありますが、全土でインドの文字に範を取った同じ文字が使われています。この文字はチベット語の話し言葉のニュアンスを捉えるとともに、インドの、とりわけ仏教の洗練された思想を伝えるために作られました。中国にはすでに高度な文化が存在し、インドから新しい思想が持たされた時、中国人はそれを既存の中国的な思考方法に順応させました。これに対し、チベットでは原文のサンスクリット語に盛り込まれた思想を正確に表現できるような文字を特別に作ったのです」

His Holiness the Dalai Lama speaking
at the Northwest Tibetan Cultural Association in Portland,
Oregon on May 12, 2013. Photo/Jeremy Russell/OHHDL

インドの高僧のシャンタラクシタがチベットに来た時、チベット人が仏教に真剣に関心を抱いているのなら仏典をチベット語に翻訳するべきだと主張しました。高齢だったにもかかわらずシャンタラクシタ自身もチベット語の習得を始めたことで翻訳作業に参加出来るようになり、チベット人は彼のアドバイスに従ったのでした。

ダライ・ラマ法王は、チベットがナーランダ僧院の伝統を守る国となったの経緯をこのように説明されました。法王は、仏教の論理学と認識論に関心を抱く全ての現代人は、チベット語によって、それ以外の言語では現存しない原典に当たることができ、そうした原典の理解が難しければチベット語で書かれた注釈に当たれる、とおっしゃられました。そして、祈祷室の戸棚ではなく、教室の中でこそチベット大蔵経の膨大な内容をより良く維持保存できるのではないかと述べられました。

「仏教は世界の最も偉大な宗教の1つです。チベット仏教はその一部であり、現代社会に多大な貢献をができます。例えば、神経脳学者たちとの会話を通じて、チベット仏教の経典と実践の内容は、心の性質を理解するために多くの貢献ができるということが分かりました。仏典に描かれている宇宙のように、現代科学によってその誤りが明らかになった点もありますが、そうしたところは打ち捨てて置けば良いのです。また科学者たちは物質の極めて繊細な姿を理解していると言いますが、龍樹のような仏教の師の著作にも同じことが述べられています。
歴史的に見れば、チベットは建国から9世紀にかけては中国に比肩するような強大な統一国家でしたがその後分裂しました。チョギャル・パクパの時代、モンゴル族、そして中国の明王朝と関係を持ったチベット人によるチベットの再統一が実現しました。私がアムド地方で幼少時代を過ごしていた時代には、中央チベット政府の支配はアムド地方に及んでいませんでしたが、それでもチベット語と仏教文化が違うチベット人を結束させる要因となっていたのです。

最近は、中国本土で仏教への関心が高まっており、中国に仏教徒は4億〜5億人いると言う人もいます。多くの中国人がダライ・ラマ法王を訪問し、泣きながら自分たちのことを忘れないでほしいと懇願するのです。

仏教は知恵の源であり、寺院で執り行われる単なる一連の儀式だけを指すものではありません。仏教を活用してあなたの心を変容させてください。仏教の知識を自分のものにしたいのなら勉強する必要があります。今なさっているチベット語の勉強を続けてください。そして仏教の経典を読むことに挑戦してください。いつもお坊さんを呼ぶ必要ありません。皆さんの間で勉強会をやればいいのです」

Members of the Tibetan community listening toHis Holiness
the Dalai Lama speaking at the Northwest Tibetan Cultural Association
in Portland, Oregon on May 12, 2013. Photo/Jeremy Russell/OHHDL

ダライ・ラマ法王はやや時間をかけて、中道アプローチを生んだ状況とそこに至るまでの精緻な思考を説明しました。単に支持してくれるよう頼むのではなく、この機会を利用してそうした政策の背景を説明することは自分の道徳的責任だと法王は述べられました。

「1960年代にチベットに関するいくつかの国連決議が採択されましたが、いずれも問題の具体的解決にはつながりませんでした。その結果、私たちは戦略を見直しました。私たちは何を行なうにもチベットの人々に与える影響を考えなければなりませんでした。約10万人の亡命チベット人はたしかに自由な国で生活し、自分の自由に意見を表明できます。しかし私たちが何かを言うと、それがチベット本土で生活している600万人のチベット人にどのような影響が及ぶかを考える必要があるのです。

中道アプローチは各国政府、国際社会の参加者たち、中国の情報通の思想家や知識人たちから多くの支援と励ましを得ました。例えばインドの例を見てみましょう。インドは各地の人々が自らの言語、文化、独自のアイデンティティーを保ったまま、インド憲法で保障されている平等、保護、開発の恩恵を被っています。私が言いたいのはそういうことなのです」

その後、法王は、仏法僧の三法に帰依して菩提心を呼び起こす4行詩に基づいた短い仏教法話をなさいました。

法王はポートランドからミネソタ州ロチェスターに飛び、そこで毎年恒例の健康診断を受けられる予定です。マヨ診療所に到着された法王を集った数百人のチベット人の老若男女がお迎えしました。こうした人々の示す愛情と長時間、自分の到着を待っていた気持ちに突き動かされた法王は、人々に話しかけたいと述べられて、随行のパトカーのスピーカーを使って語りかけられました。

明日は法王はウィスコンシン州マディソンに移り、そこで仏教法話を行い、持続可能な健康と幸せに関するプログラムに参加予定です。

(翻訳:吉田 明子)

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