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チベットの危機的状況について−議会提案全文

(2012年3月23日 CTA)

以下は2012年3月14日、第15回亡命チベット代表者議会で採択された決議の邦訳(英訳より)である。同決議に関して3月23日、カシャック(内閣)およびダラムサラの亡命チベット議会の共同記者会見において、ペンパ・ツェリン議長により声明が発表された。

議会決議番号 2012/15/3/4 文書番号 6

1949年、中国がチベットを占領して以来チベットを怒濤のごとく脅かし続けてきた政治活動により、およそ120万人のチベット人が命を落とし、また6000の寺院が強奪、破壊された。それに加え、大規模な森林伐採をはじめとする天然資源の乱開発や強制的な人口政策が、チベットの土地と繊細な生態系に深刻な影響を与え、チベット内部のチベット人の暮らしや生存を脅かしている。

チベット人が何世代にも渡って平和的に訴えてきたチベット民族の願いは、中国当局によって常に押さえつけられてきた。殊に2008年以降、中国政府はチベット民族の基本的人権を完全に無視し、信じがたい残忍さをもって執拗な弾圧政策を実施してきた。その結果チベット全三地方において平和を愛する何百人というチベット人が命を落とし拷問を受けたのだ。この状況は現在も続いており、中国の高圧政策に耐えられずあらゆる世代のチベット人が焼身自殺を図るケースが後を絶たないのである。

2009年以来28名のチベット人が焼身抗議を行っている(さらに2件の焼身抗議のケースが報告され、同決議採択後に一人の死亡が確認された)。場所はンガバ、タウ、カンゼ、チャムド、トリドゥ、テムチェン、ダラック、マチュ、レプゴンと、東チベット全土に及んでいる。これまでに20人(今日までに22人)の僧侶、尼僧、一般の方々が命を落とされ、他多くの方の安否については情報が得られない状況にある。

同様にこの春節(旧正月)中には、中国警察と公安部隊が平和的に抗議運動をしていたチベット人に無差別発砲し、ドラゴ地方で4人、セルタ地方で2人、ザムタン地方で1人、そしてゴログ・ペマ地方で1人が射殺された。今年2月8日には ザトエ、ナンチェン、バルカム、ペマ、チャブチャ、ディル、その他前出以外の地方においても、自由を求めるラカルのための大規模な平和的デモが行われた。

また最近、インドおよびネパールで行われたカーラチャクラ灌頂からチベットに帰還した何千というチベット人巡礼者らが、繰り返し尋問を受けあらゆる宗教関連の私物を没収される事件が起きている。尋問に加え彼らはラサ近郊で政治教育を強要されている。また、カムやアムド出身のチベット人はそれぞれの地方に強制退去させられている。

亡命チベット代表者議会は、以上のような憂慮すべきチベットの深刻な状況について、機会がある度に中華人民共和国政府に訴えてきた。胡錦濤国家主席にもこの件に関する公開状を提出している。亡命チベット議会の代表らはデリーの各国大使館員と会談し、国際社会に訴える努力をしてきた。その他にも内閣と議会が共同で、ダライ・ラマ法王や他の宗派の高僧らによる犠牲者のための特別法要を執り行うなど、さまざまな行動を起こしてきた。多くの国際的組織、チベット支援者、そしてチベット人自身もまたさまざまな方法で活動を続けている。チベット内部でチベット民族の自由、アイデンティティー、そして生活様式を守るために犠牲を払っている全てのチベット人の方々に、私たちはこれまで通りの連帯を示すものである。それと同時に私たちは中国政府に対し、チベット民族の願いに前向きに対応するよう引き続き要求し続ける所存だ。さらに私たちは、チベット問題の恒久的解決と悪化し続ける現状打開のため、そしてチベットの正義のために国際社会の介入を要請する提案を採択する必要性および重要性があると判断した。

1. 亡命チベット代表者議会は、これまでに犠牲になられた全てのチベット人、そして身を挺して不屈の勇気を示し続ける全てのチベット人に、心からの連帯、深い敬意と感謝を表明する。ダライ・ラマ法王のご帰還とチベット民族の自由への願いに前向きに取り組む代わりに、チベット人を焼身抗議に追い詰める強硬かつ非人道的な弾圧政策に訴える中国政府を私たちは強く非難する。

2. 中国政府は直ちに抑圧政策を止め、民族区域自治法の条項を実施し、チベット民族の基本的人権と真の自治を保障するべきである。

3. 民族区域自治法実施を確実なものとするため、中国−チベット間の交渉を直ちに再開するべきである。

4. 中立かつ独立した国際調査団をチベットに受け入れ、実地調査を行うことを許可すべきである。それができないのであれば中央チベット政権の代表の入国および調査を認めるべきである。同様に、独立した国際報道機関、組織、および個人旅行者が自由にチベットに出入りできるようにするべきだ。

5. 中国当局はチベットにおける大がかりなインフラ整備を直ちに中止すべきである。また、チベット遊牧民を定住させ大規模な漢民族移住を促進し、豊かなチベット文化、伝統、生活様式を破壊することを速やかに止めるべきである。中国政府はチベット民族の感情を逆撫でするような誤った政策に終止符を打ち、長期的あるいは短期的なチベット民族の福利と権利のために尽力するべきである。

6. 中国当局はパンチェン・ラマであられるゲドゥン・チューキ・ニマ氏を含む全ての政治犯を速やかに釈放し、ビルマがそうしたように、政府と人民間の信頼を回復すべきである。

7. 私たちは世界各国のリーダーに対し、チベット内部の現状について中国指導者らに問題を提起し、チベット人を守りチベット民族の希望を実現するために実質的な行動をとるよう促していただくことを強く要請する。

8. 亡命チベット代表者議会は各国政府、議会、チベット支援団体、国際組織、中国の民主化運動家、そして真実と正義を支持する個人に対し、さまざまな非暴力の活動を通してご協力いただいていることに深く感謝する。現在の危機的状況を乗り越え、さらにチベット問題に対する恒久的な解決が見出されるよう、これからも応援をお願い申し上げる。さらに国連に対し、調査団を派遣しチベット内部の危機的状況の実態を把握していただけるよう繰り返し要請する。

(同決議は、2012年3月14日第15亡命チベット議会、第3期において広範な協議の後、満場一致をもって採決された。)

(翻訳:中村高子)

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