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焼身自殺とチベット人への発砲を受け、
米上院、中国のチベット政策変更を要請する決議案を提出

昨日、ダイアン・フェインスタイン上院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は、最近の一連の焼身自殺および、警察による弾圧強化を受け、中国政府に対し、宗教を締め付ける規制の停止、チベット人居住区における宗教治安政策の見直し、およびダライ・ラマとの対話の再開を求める決議案を提出した。この決議案(上院決議第365号)を政党の垣根を越えて共同起草した議員は、ジョン・マケイン(共和党、アリゾナ州選出)、ジョセフ・リーバマン(民主党、コネティカット州)、マルコ・ルービオ(共和党、フロリダ州)、リチャード・ダービン(民主党、イリノイ州選出)、バーバラ・ボクサー(民主党、カリフォルニア州)、マーク・ウダル(民主党、コロラド州)、ジェームズ・ウェッブ(民主党、バージニア州)の諸氏である。

「この決議案は、現在、チベットで起きている弾圧は受け入れられない、という強いメッセージを送るものである。それは、上院は、アメリカ国民のチベットの特別な文化と民族に対する深い関心を反映しているだけでなく、下院が示している計画的なチベット支援、毅然とした政策に賛同し、チベット問題の恒久的解決を希求していることを示すものである」と、チベットのための国際キャンペーンの政府担当ディレクター、トッド・スタインは語った。

決議案の提出は、過去数週間のあいだに少なくとも3人のチベット人が中国治安当局によって射殺されたと報道されたタイミングと重なっている。この事件が象徴するように、チベット人居住区での軍隊と警察の取り締まりは強化されており、チベット人が住む街の多くや僧院で、インターネットや電話が不通になっている。また、外国人報道関係者はチベット人居住区に立ち入れない状態である。

上院の決議案提出は、オバマ政権の政府高官の最近の声明を補完する役割を果たしている。たとえば、1月24日には、マリア・オテロ・チベット問題担当特別調整官兼担当次官が中国政府に対し、チベットに対する「非生産的な政策」を停止するよう要請している。さらに、決議案提出の二週間後には、習近平副主席の訪米と、ホワイトハウスでの一連の会談が予定されている。米国務省のスポークス・ウーマンは、チベット問題は習副主席との会談で話し合われる議題の一つとなるだろう、と語っている。

決議案の主だった内容は以下の通りである。

  • 焼身自殺したチベット人を哀悼
  • 中国に対し、チベット地域への現地視察を目的とした報道関係者、外交官、国際機関職員の無制限の立ち入り許可を要請
  • 平和的抗議活動の結果、拘置されたチベット人、およびキルティ僧院から強制的に連行された僧侶たちの安否の確認、説明
  • 国務省に対し、チベット・ラサへの米領事館設立を要請し、それが中国政府によって承認されるまでは、米国内に中国領事館の新設を認可しないよう要請

さらに、決議案は、ダライ・ラマから選挙で選出された指導者への政権移譲が完了したチベット亡命社会が、完全に民主制に移行したことを高く評価し、かつ、亡命チベット人社会が2011年に行った自由で公正な選挙を祝福している。

上院決議第356号

同決議は、チベット民族への支持を表明する。

チベットはチベット仏教の中心の土地であり、ダライ・ラマ法王であるテンジン・ギャツォは、チベット仏教における最大の畏敬を集める人物である。

中華人民共和国政府はチベット民族の基本的自由を侵犯する政策を依然として強硬に推進している。特に、チベット仏教の僧院に懲罰的な治安施策を課し、僧侶の大量逮捕を行い、宗教実践の自由を制限している。

ダライ・ラマおよび、チベット亡命社会が民主的に選出したチベット亡命政権主席大臣のロブサン・センゲ博士は、チベットが中国から独立することを求めないと明言している。

2011年8月8日の就任演説においてセンゲ主席大臣は「中道政策を堅持し、中華人民共和国の枠内のチベットの真の自治を追求する」と表明している。
チベットをめぐる交渉に関する2011年度の国務省報告書によれば、これまで中華人民共和国とダライ・ラマの特使のあいだで9度の会談が行われたが、「具体的成果があった会談は一度もなかった」。
ダライ・ラマおよびその代表団の粘り強い努力にもかかわらず、中華人民共和国政府とダライ・ラマの特使のあいだでは、2010年1月以来、公式の対話がない。

2011年3月以来、少なくとも16人のチベット人が焼身自殺を図り、そのうち少なくとも12人が死亡した。
中華人民共和国の抑圧的な諸政策により、多くのチベット人のあいだに落胆、絶望、欲求不満の空気を醸成する環境が創られた。

2011年11月1日、宗教あるいは信条の自由に関する国連特別報告者(訳注:国連人権委員会が任命する独立の専門家)のハイナー・ビールフェルト氏は、中華人民共和国政府がチベットの僧院で行っている「抑圧的施策」に懸念を表明し、こうした施策は「宗教と信条の自由という権利を侵害するだけに留まらず、今の緊迫した状態をいっそう悪化させるものであり、非生産的である」と述べ、また、「僧院の僧侶と地元住民が自由に宗教を実践する権利が中国政府によって尊重され、保障されなければならない」と述べている。

2012年1月24日、市民社会・民主主義・人権担当次官でチベット問題特別調整官も兼務しているマリア・オテロ氏は声明を発表し、「中国のチベット人居住地域で依然、暴力が行使され、引き続き緊迫した状態にあること、特に四川省の治安部隊が抗議者に対し発砲し、死傷者が出たこと」に対し懸念を表わした。
中華人民共和国憲法は全国民への宗教的信条の自由を保障している。しかし、国務省の「世界の宗教的自由に対する報告書2010年度版」によれば、「(中国)政府は、チベット自治区および他のチベット人居住区における宗教的自由を依然として強く抑圧している」。

2011年3月10日、ダライ・ラマ法王はチベット中央政権における自らの役割を完全に放棄し、政治的権限を亡命チベット人が民主的に選出した指導者に移譲すると発表した。

2011年3月20日、亡命チベット政府は民主的な競争選挙を実施した。国際社会のオブザーバーがモニターした結果、その選挙は、自由かつ公正で、国際的基準に合致していた、と判断された。

2011年3月20日に実施された選挙には、チベット亡命社会の有権者の半分以上、30カ国の5万人近くが投票した。

2011年3月20日の選挙の結果、ロブサン・センゲ博士が55パーセントの得票率で勝利し、チベット中央政権のカロン・トリパ、つまり主席大臣として選出された。センゲ博士は2011年8月8日に主席大臣に就任した。
センゲ主席大臣は、米国務省のチベット奨学金プログラムの奨学生として選出後、渡米し、ハーバード大学で法学博士号を取得した。その後は、ハーバード法学大学院の東アジア法学研究所のシニア・フェローとして研究生活を送っていた。
センゲ主席大臣は、ハーバード大学在学中から、亡命チベット人留学生と中国人留学生、および訪米中国人学究者間の対話の機会を作り、相互理解を深め、双方の和解に向けた取り組みを行っていた。

たとえ、どの政党が政権の座にあろうと、2002年のチベット政策法の規定に沿い、中華人民共和国とダライ・ラマ、あるいはその代表団のあいだの実質的な対話を促進し、中国におけるチベット民族の真の自治の実現を支援することをアメリカ合衆国政府は目的としている。

以上に鑑み、上院は、次のように決議案する。

  1. 焼身自殺したチベット人の死を悼み、チベット人に対する抑圧的政策を遺憾とする。
  2. 中華人民共和国政府に宗教を制限する規制を停止し、チベットで2008年以降、実施されている宗教治安政策を見直し、背後にあるチベット人の不満に対応するため、ダライ・ラマとその代表団を含む、チベット仏教の指導者たちとの対話を再開するよう、要請する。
  3. 中華人民共和国政府に対し、専断的に拘置した人々を全員釈放し、平和的抗議者に対する恫喝、いやがらせ、および拘置を止めるよう要請する。また、報道関係者、外交官、国際機関職員のチベット地域への無制限の立ち入り許可を要請する。
  4. 国務省に対し、中華人民共和国政府からキルティ僧院僧侶の強制連行、特に僧侶たちが連行された理由、および条件についての説明を受け、彼らの現在の所在についても説明を受けるよう、要請する。
  5. ダライ・ラマ法王が民主主義体制への移行のために自らの政治権力を移譲したことを高く評価する。
  6. 亡命チベット人が、2011年3月20日、複数候補者間の競争選挙を実施し、それが自由かつ公正に行われ、国際的基準にも合致していたことを祝福する。
  7. アメリカ合衆国国民とチベット民族のあいだの確固とした友情を改めて確認する。
  8. そして、以下の二点を要請する。
    1. 国務省が2002年のチベット政策法を完全施行すること。特に、「チベット自治区のラサに事務所を開設し、チベットにおける政治、経済、文化面での状況をモニターする」という規定と、緊急時には領事館として保護機能を果たし、市民へのサービスを提供するという規定を実行すること。
    2. および、中国がアメリカ合衆国内で領事館を新設する際の認可は、チベット自治区ラサに合衆国政府領事館の設立が認可されることを条件とすること。

※ICT チベットのための国際キャンペーン
(International Campaign forTibet訳注:欧米に本拠があるチベット支援の世界最大のNGO)

(翻訳:吉田明子)

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