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内閣主席大臣、ワシントンD.C.の訪問を終え帰国

(2009年4月27日 Tibet.Net
Photo: ICT

内閣主席大臣サムドン・リンポチェ教授が一週間のワシントンD.C.での滞在を終え、4月24日インドへの帰路についた。

主席大臣はここワシントンD.C.で政策および中国担当の国会議員をはじめとするアメリカ政府高官らと交流した。チベットの現状および中国指導部との対話プロセスにおけるチベット側の立場についての概要を述べた後、主席大臣は中国側との対話に関し、特に2008年11月チベット側から中国指導部に提出された草案(全チベット民族が名実共に自治を享受するための草案)についてチベット/中国担当者らと意見交換を行った。

4月19日、主席大臣は現地のチベット人コミュニティーに対して講演を行い、亡命政府が草案に関連して新たな文書を作成した旨を伝えた。
4月21日の晩にはブッシュ政権時代、チベット問題を担当したポーラ・ドブリアンスキー特別調整官の栄誉を称え、ダライ・ラマ法王の特使ロディ・ギャリ氏によってレセプションが催され、国会議員や外交官、前特別調整官をはじめ著名人が集まった。サムドン・リンポチェ教授からドブリアンスキー前特別調整官にダライ・ラマ法王の言葉が伝えられ、チベット問題の平和的解決を目指し貢献したことに対してチベット民族からの感謝の言葉が述べられた。
4月22日、主席大臣はチベット民族の忠実な友でありホロコーストの生存者でもあった故トム・ラントス国会議員の業績を記念して設立された The Lantos Anti-Semitism and Holocaust Denial Archive(反ユダヤ主義およびホロコースト否定論批判のアーカイブ)の開所式に出席した。式にはナンシー・ペロシ下院議長も参列した。
4月24日、主席大臣は帰国に先立ってボイス・オブ・アメリカを訪問し、チベット語番組 Kunleng にゲスト出演した。二名の司会者パサン・ヤンキおよびペマ・ドルジェ両氏がチベットの現状や対話の進展状況、将来のチベットの動向に関して質問をし、主席大臣がそれに答えた。

まず今回のワシントンD.C.訪問の主な目的が尋ねられた。目的の一つは国会議員をはじめ新政権のチベット担当者らとチベットについて詳細にわたり討議をすること。そしてもう一つは前回ワシントンD.C.を訪問してから久しくなるので現地のチベット人やチベット支援者の方々と交流することである。

対話のプロセスに関して亡命政府が新たに文書を作成したことについては、主席大臣はまず、文書が中国指導部に提出した草案に修正を加えるものではないことを確認した。チベット側の立場は今年3月10日付けのカシャックの声明が明らかにしたように草案通りであるという。

第8回目の会談で中国側が草案に関連していくつかの論点を提起し、その後の国務院報道弁公室の記者会見ではさらにいくつかの問題点が追加された。中国の報道が伝えた当局者の発言なども鑑みると、中国当局が草案を正しく理解していないのではないか、あるいは誤って解釈しているのではないかという印象を受けた、と主席大臣は語った。中国は過去のストラスブール提案や五項目和平プランなどの声明を引き合いに出して草案を拒否しているが、主席大臣はそういった過去の声明に対する中国政府の反応の例を挙げた。

新たな文書は草案を正しく理解、解釈してもらうためにその文脈を説明するものであり、起こり得る混乱を避けるためのものだという。

記者会見において温家宝首相がダライ・ラマ法王の誠実さに懐疑的な態度を示しつつも、「対話への扉は開かれている」と述べたことをどう受け止めているかという問いには、内閣は首相の言葉を歓迎したし実際先方へ出向いてもみたのだが、扉は固く閉じられていたと主席大臣は語った。ダライ・ラマ法王が誠実でないという首相の主張には何の根拠もない。中国側の反応に拘わらず、この30年間ダライ・ラマ法王は中道のアプローチを貫き通してこられたし、ダライ・ラマ法王の誠実さは国際社会にも広く認められていると教授はつけ加えた。

対話の継続について問われた主席大臣は、中国側が「扉は開かれている」と発言している以上希望は抱いており、チベット側は中国側の準備が整い次第問題解決に向け対話が進められるよう準備万端で待機していると答えた。
対話を進めるにあたり互いの信頼を築くためにチベット側が採用してきた方法については、チベット側はその時の状況に基づいて常に民主的に適切な判断をし、方法を選択してきた。しかし2006年から中国側がダライ・ラマ法王を激しく非難するようになり、結局チベットの状況は少しもよくなっていないのが現状であるという。

対話による問題解決が叶わない場合、他の方法があるのかという問いに対しては、中道のアプローチには真の意味で対話に取って代わる方策はないが、対話の性格を修正することはあり得るかもしれない、という答えであった。現在チベット側は中国統一戦線工作部を相手に対話を進めているが、組織の中で異なる地位の人物にアプローチするなど、相手を替えて交渉していくことは考えられるという。

主席大臣はチベット内のチベット人への抑圧的状況が改善されることを願っていると述べた。平和的な手段で個人の意見を表現することはたとえ権威主義体制においても全市民に保障されるべき権利であり、チベット内でチベット人が抑圧されなければならない理由など存在しないのだ、と教授は言う。21世紀であるというのに、チベット民族の扱いを見る限り、中国内はほとんど5、6世紀の世の中である。最近裁判で判決を受けたチベット人の件で、中国には独立した司法制度も存在しないことが証明された。中国であろうと他の社会であろうと、物事がそのように不当に扱われるようでは、実際対抗できる術はない、と教授は続けた。

昨年の騒乱で死亡が確認されている220名のチベット人犠牲者について中国側から何ら説明がないこともまた、中国の不当な制度の一端を示しているという。中国はチベット人を人間とは認めていないかのような振る舞いをしており、ある意味でそれは人種差別のようなものだ。チベット人がどのような扱いを受けても中国政府の知ったことではないが、チベット人が何かしようものならどのように些細なことでも大問題に発展するのだ、と主席大臣は語った。

昨今自主的に農業/牧畜業を廃業するチベット人が増加していることについて、農業や牧畜に従事できる人材が捕えられており致し方ない場合もある。しかし農奴は解放されたのだという中国の主張にも拘わらず農業/牧畜業従事者の多くは未だに貧しく、そのうえその仕事を止めてしまったらチベット民族は増々弱い立場になってしまう。亡命政府は農業/牧畜業を再開するように呼びかけているという。

亡命政府が中道政策を継続して掲げてきたのは中国政府が反応してくることを期待しているからではなく、むしろ中道のアプローチが双方のためになると考えているからであり、最終的に中国政府が中国人民にとって最善の道を選択することを願っていると主席大臣は述べた。

全チベット民族が単一の自治体のもとに行政管理されるべきだ、ということは17ヶ条協定が提示された頃からチベット側が要求してきたことで、チベット民族独自の文化やアイデンティティの継承には不可欠であり再検討の余地はない。昨年チベット全土で抗議運動が起きたことからもそれは明らかだ。チベット民族の心は一つである、と教授は言う。

チベット内で官職に就いているチベット人の役割について言及した主席大臣は、彼らがチベット民族のためにできることはたくさんあると述べた。例えばその地域の人口に基づいて地方にも都市にも学校を設ける、といった中国憲法の条項はチベット民族に対しても適応されるということを彼らは知っており、少数の日和見主義者を除けばチベット人の役人や僧侶は一般的にチベット民族の福利を考えているということだ。

次期主席大臣選挙について教授は、どのような人物が相応しいか教授自身は発言する立場にはないが、とにかく皆が投票に参加することを強く勧める、と述べた。これから先もチベット問題に取り組んでいくためには、ダライ・ラマ法王がおいでになられる時もそうでない時も、民主的な制度を貫くことが最良の方法であり、亡命チベット人によって選出される主席大臣はその象徴と言えるのである。いつでも次期選挙に対応できるように、5年の任期が終わるのを待たずに今から次期選挙について考えておいて欲しいとサムドン・リンポチェ教授は亡命チベット人に呼びかけた。

どのような人材が求められるべきかとの問いに対し、ダライ・ラマ法王は教養のある若い一般人、できれは女性が相応しいとおっしゃった、と教授は答えた。そして、伝統的なものにもまた新しいものにも造詣が深く、どちらも重んずることのできる人物であるべきだと付け加えた。

50年後のチベットの見通しを尋ねられた主席大臣は、予測はできない。それは若い世代にかかっている。しかし、チベット民族のアイデンティティと文化はこれから何世代にもわたって継承されていくと信じている、と返答した。

その後主席大臣はチベット語放送に続いてボイス・オブ・アメリカの中国語放送のインタビューを受け、さらにボイス・オブ・アメリカの局長とも会見をした。

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