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チベット人作家、中国政府版チベット史に異議 

(2009年3月30日 エポックタイムス)

中国政府は3月28日を“チベット百万農奴解放記念日”として祝賀大会を催した。中国政府のダライ・ラマ法王への批判はより激しくなっており、いわゆる“昔のチベット”に関するメディアのレポートや記事はチベットを悪者にしようとするプロパガンダに過ぎないと、チベット人女流作家ツェリン・ウーセル氏は批評する。

「昔のチベットは中国政府が言うような“この世の地獄”などでは決してありませんでした。当時のチベット人は、身分の高い者も官吏も含め誰もが仏教を信仰していましたから、中国政府が言うほどひどい所だったはずがありません」とウーセルさんは語る。

清朝に導入された拷問器具

中国の公式な歴史によれば、過去のチベットは野蛮な封建農奴制がはびこる社会であったとされている。これまで北京でチベット展が何度か催されたが、チベットで用いられていた檻、手枷足枷、さらし台、拷問用の石、目をえぐり出すためのナイフ等の拷問器具が、なくてはならない展示物として毎回含まれていた。
ウーセルさんによると、以前ラサには小さな刑務所が2カ所あっただけだったという。「どちらも20人ほど収容すればいっぱいになってしまうほどの大きさです。管理はとても緩く、囚人は外に出て食べ物を乞うこともできました。彼らはチベットの正月には一時的に釈放されて家族と共に時間を過ごすことが許されていました」
最も残酷な拷問器具は清朝(1644−1912)に皇帝の使者によって内地からもたらされたのだ、とウーセルさんは言う。

“農奴が地獄に生きていた”時代には起こらなかった抗議運動

「中国とは違って、チベットは歴史的に人々が飢えで死ぬような大飢饉を経験したこともなければ、農民による反乱も起きませんでした。中国には誰もがご存知のように多くの反乱が起こりました。チベットには抑圧のために反乱が起きた歴史が全くなかったのです」

もし昔のチベットが“この世の地獄”で現在のチベットが天国であるのなら、この50年間中国政府の支配下で抗議運動と暴動が絶えなかったのはどうしてなのか、とウーセルさんは疑問を投げかける。
「昨年抗議運動の件数は最高を記録しました。チベット中で抗議運動が起こり、知識人や学生までもが立ち上がったのです」

「初めは蘭州の西北民族大学の数百人が抗議運動に参加し、北京の中央民族大学、そして青海省や成都市の民族大学の学生たちがそれに続きました。学生の抗議運動は大学のみにとどまらず、中学高校にまで広がりました。彼らが始めたプロテストは座り込みデモでした。昨年3月16日だったと思います。彼らは“我々に人権を”“我々に自由を”“チベット人虐殺を止めろ”といったスローガンを書いたプラカードを掲げていました」それらの抗議運動に参加した人たちのほとんどが、いわゆる昔の農奴の子孫だとウーセルさんは強調した。

チベット人が講義運動に参加する理由について語っていた時、ウーセルさんは一人の僧侶の話に言及した。彼はラギャ僧院の僧侶で、警察の尋問中に黄河に身投げし自殺を図ったという。最近の話である。ウーセルさんは2007年に同じラギャ僧院の年長の僧侶にインタビューしたことがあった。彼によるとかつてラギャ僧院には2500人の僧侶がいたという。しかし1958年の中国政府に対する暴動で、その多くが寺院から追われ、ある者は拘束され、800人がツァイダム盆地の岩塩採掘坑に送られ奴隷のように強制労働させられたのだという。そのうち戻って来られたのはわずか100人だった。その僧侶の弟もまた文化大革命の混乱の中、黄河で投身自殺している。

嘘の中で育つ

さらにウーセルさんは自分がチベット人であるという理由で昔のチベットを擁護しているのではないと説明を加えた。彼女は、昔のチベットにおいてほとんど全ての土地を所有していた支配層の出身ではない。しかし彼女には強力な政治的家庭環境があった。両親はともに中国共産党の党員であり、父親はラサ軍事地区の副司令官、母親は退職するまでチベット自治区政法委員会の職員であった。

ウーセルさんはチベットで、“農奴の悲劇的一生”を描いた映画の数々を見ながら大きくなった。
「そのような教育を施されて私は長い間中国政府を信じていました。成長して自分でものが考えられるようになって初めて私は疑問を抱くようになり、その問いに対する答えを模索するようになったのです。私はそれまでずっと騙されていたことに気づいたのです」

※注:ウーセルさんがいう“昔のチベット”とは1950年に中国共産党が侵略する以前のチベットを指している。

(翻訳:中村高子)




作家ツェリン・ウーセルさんの関連記事:

参考リンク:産経新聞記者・福島香織氏によるウーセルさんのブログの翻訳記事

参考リンク:ウーセルさんのブログ

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