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チベット文化に関する中国政府の白書を中国人ライターが批判

(2009年3月3日 Phayul.com)

中国のもと、チベットでは文化的大虐殺よりも残虐なことが起こっている −
中国語雑誌の編集者として、かつてチベットで活動していたカナダ在住の中国人ライターは語る。

【ダラムサラ3日】チベットでは文化的大虐殺が起こっているだけでなく、中国は、チベット人のユニークな生活様式の基盤となるデリケートな環境に取り返しのつかない多大なダメージを与えている、とカナダ在住の漢民族ライターは語る。

「中国政府は歴史ある仏教寺院を破壊し、仏教僧の生活に干渉するだけでなく、チベットのデリケートな生態系をも崩壊へと追い込んでいます。そのため、チベット人の伝統的・文化的な生活様式の根本が危険にさらされているのです」とかつて中国政府のもと、チベットで中国語雑誌の編集者として働いていたシュー・ルイ女史は述べる。

「中国が自分たちの野望を満たすための国家支援政策により、何千というチベット人遊牧民が永住用住宅へと強制移住させられました」

「チベットでの中国政府の無責任な行動は、静かながらも急速にチベット人の豊かな文化的価値を破壊しています」とシュー女史は述べる。

シュー女史は、『Response to White Paper(白書に対する意見)』と題する本を発表する記者会見の席で語った。

チベットで起こった大規模な抗議活動から数ヶ月後の2008年9月25日、中国は「チベット文化の保護と発展」と題する白書を発表した。中国は、「チベット文化の保護と発展のために中国が努力していることを世界に知らせ」、「チベットでの文化的大虐殺の責任」について否定するために白書が発行されたと主張している。

亡命中のチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ法王は、近年折りに触れ、チベットで文化的大虐殺が行われていることに強い懸念を表明している。

中国国家直属の通信社、新華社によると、この白書はチベットでの「文化的大虐殺」の責任は「ダライ・ラマ集団によって捏造された」偽りであると異議を唱えるものであり、「彼らが強く要求する文化的自治国家の欺まんに満ちた本質」を暴露するものであるという。

「ダライ・ラマ14世の集団は50年近くも前に国外に逃げてしまい、チベット文化の保護や発展にはまったく尽力してこなかった」と白書は述べている。

チベット女性協会(TWA)から出版されたシュー女史の本は中国語で書かれており、二部構成となっている。TWAによると、前編ではチベット文化の保存、民主主義の確立、教育制度の発展、チベット医学の復興、亡命チベット人コミュニティーにおけるチベット建築および芸術について、後半では、古典文献や注釈書を含む人間社会に対するチベットの貢献についてまとめられている。

「シュー女史の『Response to White Paper(白書に対する意見)』は本質的には、ダライ・ラマ法王や困難の中にあるチベット人すべてに対して捧げられたものなのです」ダラムサラの女性協会の会長であるB・ツェリン博士は語る。

またツェリン氏は、「著者は、すべての国の人々、特に漢民族がダライ・ラマ法王のチベット文化および世界全体に対する貢献について理解してほしいという思いで執筆したのです」とも付け加えた。

この本を、中国人ライターによる今までに例のない画期的な研究活動と説明するTWAは、本書が「チベット人に対する中国人の意識を変える指標」となるよう期待している。本には、ダライ・ラマ法王の不屈のリーダーシップのもと達成された奇跡的な出来事が詳細に述べられているとツェリン氏は語った。

中国北西部に生まれ、現在はカナダで活動するシュー・ルイ女史は、1998年から2001年までチベットに滞在し、その間、中国語の公式雑誌『Tibetan Literature』の編集者として勤務した。

チベットでは、シュー女史は著名なチベット人ライターで活動家でもあるウーセル氏と同じオフィスで仕事をした。ウーセル氏の著作物に、ダライ・ラマ法王に賛同する引用文献を含んでいることを中国当局が発見後、ウーセル氏は自らの意志で中国に亡命している。

以前はダライ・ラマ法王を「人間の皮をかぶり、人間の骨からできた皮膚をつけた悪魔」と強烈に批判していたシュー女史は最近の記事で、チベット人やダライ・ラマ法王に対する考え方はチベットを訪れ、穏やかで落ち着いた法王のイメージに出会ってから一変したと語っている。

最新作のためにダラムサラを訪れたシュー女史は、亡命チベット人コミュニティーで、チベット文化の保存や発展に対する法王の驚くべき努力を目の当たりにすると同時に、報道の自由を含む活気に満ちた民主主義がうまく機能していることに大きな感銘を受けたという。

亡命コミュニティーには、チベット本国で存続が危ぶまれている文化的アイデンティティーを保つために教育施設、寺院や教育機関が設けられているが、そういった文化的価値は実際のところ世界中に広まっているとシェー女史は述べる。

シェー女史によると、世界に向けて人間としての価値を高めようとするダライ・ラマ法王やチベット人の姿に国際社会は良い影響を受けているという。「法王に授与された数多くの国際的な賞がなによりの証拠です」とシュー女史はいう。

こういった進歩は、いわゆる白書の中で中国政府が非難している法王集団の行為とはまったく相反するものだ、とシェー女史は記者会見で述べた。

昨年、シェー女史が白書について知った時には、中国がようやくチベット文化の保存について真剣にとらえ発展のために力を注ぐのであろうと安心したという。

しかし、詳細を知るにつれ、白書の内容は例によって中国政府が自らの思惑を果たすためのプロパガンダでしかないことを気がついたという。

そこでシェー女史は、白書にマッチする意見書をタイミングよく発表したいと考えていた。そこでインドへ赴き、著名無名を問わずさまざまチベット人やインドへ到着したばかりの亡命者と交流を深めたのである。

チベットで実際に中国政府のために働いた経験と、亡命中のチベット人へのインタビューから得た答えの結果が『Response to White Paper(白書に対する意見)』なのだとシェー女史は話す。

「中国がチベットで行っていることは、白書の中のダライ・ラマ法王やチベット人難民に対する厳しい非難や名誉毀損よりもひどいこと」であるとシュー氏は確信しているという。

彼女の本は、チベットの真実を知らずにいる多くの中国人同胞に向けて書かれたと語る。

この本を出版するにあたり、インターネット上で彼女を「裏切り者」と呼ぶ多くの中国人ブロガーたちは気にならないとシェー女史はいう。

「このようなブロガーの多くは、一方的な中国共産党寄りか、チベットの現状をまったく知らない人々でしょう」

一方で、シェー女史は、チベット人が自らの文化的アイデンティティーを損なわずに持ち続け、教育分野で大きく前進することを望んでいる。困難の中で自由を勝ち取るためには教育の充実が効果的であると考えている。

「私にできることは、チベットやチベットの豊かな文化的価値についての記事を書き、中国人に理解してもらうことです」と述べる。

2008年3月にチベットで起こった蜂起後、シェー女史は「なぜチベット人は抗議するのか」、「軍隊、マシンガンと銃弾はチベット人の心を統制しない」、「ダライ・ラマ法王を招待しよう」、「中国政府へ手紙を書こう」、「チベットの希望」、「権力のある人がこの機会を逃さないように」など、インターネット上に数多くの記事を発表している。

(プルブ・ティンレイ記者)

(翻訳:パドマサマディ)

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