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スティーヴン・スピルバーグ、北京オリンピックから手を引く

(2008年2月13日 デイリー・テレグラフィー(ロンドン)
リチャード・スペンサー特派員(北京駐在))

ハリウッドの映画監督スティーヴン・スピルバーグは、ダルフールの虐殺事件で中国が果たした役割に抗議して、今年開催される北京オリンピックから手を引くと表明した。

オリンピックを主催する中国にとっては、PR上、このうえなく不名誉なダメージである。8月の開・閉会式の芸術顧問となることが予定されていたスピルバーグは、「これ以上この役割を続けていては、良心の呵責に耐えられない」と話した。

中国は石油を輸入し武器を輸出するなど、スーダン政府と極めて良好な関係を保っており、スーダン南部のダルフールで起きた虐殺事件に対する国連安保理の制裁決議には、拒否権を発動するとの強気の態度をみせている。

「私の良心は、私がこのままこのビジネスを続けることを許さないのです」とスピルバーグは声明文の中で述べている。

「もはや、私の時間とエネルギーを、オリンピックの式典に費やすわけにはいきません。ダルフールで今なお続く、言うに耐えないような悲惨な人権侵害の犯罪を終わらせる為にこそ、費やすべきなのです。」

「現在進行している人権侵害の責任は、その大部分がスーダン政府にあります。しかし、国際社会、特に中国は、この悲惨な状況を終わらせる為にもっと手を打つべきです。」

「私は北京オリンピック開・閉会式の海外芸術顧問の任務を正式に辞退することを決意しました。」

中国がスーダン政府を支援していることがはじめて明らかになったのは、2004年、国連安保理が民兵組織ジャンジャウィード---スーダン政府の支援する民兵組織---によって殺戮された犠牲者数が明らかになったことを受けて制裁措置を決議しようとした時である。この時、中国は、安保理常任理事国の拒否権を発動するとして、制裁措置が議決されることを牽制した。

しかし、世間の注目をオリンピックに向けたのは、女優ミア・ファロウの人目を引く政治運動であった。

昨春、彼女は北京オリンピックを「大量虐殺ゲーム」と揶揄する記事を書き、スピルバーグに彼の任務について考えなおすよう促した。彼女はインタビューの中で、彼の数々の映画---ホロコーストを描いた映画『シンドラーのリスト』など---の持つ、道徳的品位に注目している。

スピルバーグは、1972年のオリンピックでイスラエル人選手が殺害されたテロ事件をベースにした映画『ミュンヘン』も監督している。

その後間もなくスピルバーグは、胡錦濤国家主席に宛てて、ダルフールの状況を憂慮する内容の公開文書を発表した。

スピルバーグは、中国側当局から「中国は事態の改善に向けて努力している。ただ、これで十分だとは言わないが。」との連絡があったと述べた。

「中国がスーダン政府と経済的、軍事的、外交的な絆をもっているということは、中国が今後も、事態の改善にむけてスーダンに圧力をかける機会を持ち続けるということです。また、それをする義務を担うということでもありす。」とスピルバーグ。

「事態は今までになく深刻です。---中国政府の代表は、中国はダルフールの悲惨な状況に終止符を打つ努力をしている、と私に伝えてきましたが、ぞっとするような苦悩の現実は、いっこうになくなる気配がありません。」

彼の声明文はダルフールの状況に対する抗議デモが行われた日に発表された。抗議デモはロンドンの中国大使館でも行われた。デモの参加者や抗議文に署名した人の中には、イギリスのバドミントン選手リチャード・ヴォーンをはじめとするオリンピック代表選手、南アのデスモンド・ツツ大主教をはじめとするノーベル平和賞受賞者、さらには、ロード・オーウェン元外務大臣などの政治家や、女優エマ・トンプソンといった著名人も含まれていた。

ミア・ファロウも抗議文に署名した一人で、スピルバーグの決断に喜んでいると述べた。「私は彼の決断を大変嬉しく思います。ダルフールにとって今は絶望的な時ですが、この暗澹たる一週間の中で、数少ない良い知らせとなりました。」とBBCに対して語った。

中国政府と北京オリンピック委員会のいずれからも迅速な反応は出ていないが、どちらも、過去、オリンピックを「政治化」しようとする試みに対しては、それを退けてきた。

最初にダルフール問題に関する反中運動が起こった時から、「こうした抗議に揺れ動く事はない」と主張して来た中国だが、国際関係の特使を任命し、スーダンのオマール・アル・バシール大統領に、国際平和維持部隊を受け入れるよう圧力を強めている。

英国政府も、この中国の姿勢を「建設的」だと評価した。

オリンピックが近づく中、ダルフール問題は、中国が自国の評判を守る為に戦わなくてはならない数々の問題の中の一つに過ぎない。

先月、亡命中のダライ・ラマ法王を長年支持してきたチャールズ皇太子が、北京オリンピックの招待を辞退すると、チベット支援団体のフリー・チベット・キャンペーンに話したことを、デイリー・テレグラフは明らかにした。

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