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ンガワン・サンドル 米国議会委員会で証言
トゥルク・テンジン・デレク釈放にアメリカ介入の必要性を主張

米国議会の「中国における信教の自由に関する委員会」で証言を行う元政治囚のンガワン・サンドル

11月18日にワシントンで開かれた米国議会の「中国における信教の自由に関する委員会」で、チベット人で元政治囚のンガワン・サンドル(写真右)は証言を行い、死刑執行猶予中のトゥルク・テンジン・デレクの釈放に向けてアメリカ政府が中国政府に働きかけるよう要請した。

以下は、彼女の声明の全文である。


チベットにおける信教の自由の問題を扱うこの委員会において発言する機会を頂き、心より感謝致します。インターナショナル・キャンペーン・フォア・チベット(以下、ICT)としても、私自身としても、このように自分の考えを分かち合えることは大変名誉なことだと思っております。

チベット人の苦難は、チベット国民の苦難であり、チベット人のアイデンティティー、宗教、そして文化を保持する権利の為の闘いです。共産中国によるチベット侵略と占領の後、私たちチベット人は、祖国・宗教・文化遺産の破壊に抵抗すべく、勇敢に立ち向かって来ました。

チベット仏教は、チベット人のアイデンティティーにおいて根本をなすもので、不可欠な要素であり、チベット人社会においていつも中心的役割を果たして来ました。中国共産党(以下、党)は、チベット仏教とチベット人アイデンティティーの強い結びつきを主な理由に、信仰こそがチベットにおける最も重大な問題だと見なしています。党は、チベット人を信仰、そしてダライ・ラマ法王への敬愛から引き離すことに失敗して、党自身に混乱を招き続けて来ました。チベットにおける信仰は、党にとってイデオロギーの問題である他、政治・戦略上の問題としても懸念材料となっています。チベット人が中国から分離したがっているのではないか、国境付近が不安定になるのではないかといった党内にはびこる恐怖心から、中国は、反中国「敵対」勢力の侵入に一層神経質になりました。

今年6月、ICTは、チベットにおける信教の自由の問題についての報告書を完成させました。報告書によると、チベットではうわべだけの変化があったものの、実際はチベット人信徒に対する中国政府の態度には何の改善も見られなかったことを示しています。ここで、この報告書が明らかにした例をいくつか挙げたいと思います。

1980年代に始まる中国自由化以降、中国政府はチベットでの宗教の拡大を制限しようと、様々な政策を試みました。1994年北京で開催された第三回労働者会議でチベット政策について話し合われた後、宗教活動は厳しく抑制を迫られるようになりました。第三回労働者会議のガイドラインは、宗教と独立運動の結びつきによってより一層人気を高めたチベット仏教に対する党の深い懸念を表すものでした。この会議で、従来、政治指導や情報提供に当っていた行政が、寺院等の取り締りと監視の強化・安全対策の改善に当ることが最大限に是認されたのです。又、各宗教団体に対し、次のような処置を取るように申し付けました。

民主管理委員会の政治的立場を審査することと、各委員には「愛国的」僧侶のみを任命すること。公式な許可が無い限り、いかなる宗教施設の建設も禁止すること。各施設における僧侶と尼僧の人数を制限すること。僧侶と尼僧各自に、共産党主導権と祖国統一への絶対的支持を宣言するよう義務付けること。僧侶・尼僧らが「ダライ・ラマ派と明確に政治的境界線を引くこと」—つまり、ダライ・ラマや彼の政策に対して公式に反対宣言をさせることです。1990年代中期のチベット地域における信教の制限強化は、中国における宗教政策の一般的傾向を反映したものでした。同じく、僧院や尼僧院に対する厳しい取り締りは、プロパガンダ、再教育、参政権の制限、処罰、綿密な安全対策の実施を通した、チベット人の反対意見を抑圧するための大規模な政策の一貫だったと言えるでしょう。

チベットの場合、宗教と文化こそがチベット人と中国人の違いを示すものだったが為に、宗教が標的とされました。しかし、チベット人に特有の宗教と文化がある限り、チベット人を「中国人」と呼ぶことはできません。

チベットにおける信教の自由に対する中国の政策を巡って、何百人もの私の仲間達が平和的に反対意見を示しただけで投獄されました。私自身も、信教の自由を含めたチベット人の基本的権利を否定し続ける中国当局に抗議したくて、13歳の頃からデモに参加して来ました。また、中国当局が私たちの精神的・政治的指導者であるダライ・ラマ法王を中傷したことに激怒していました。チベット人の誰一人として、これを許す者はいないでしょう。拘留に続いて、私はラサの悪名高いダプチ刑務所で計12年に及ぶ服役という判決を受けました。

私は獄中で同様に拘留や拷問の苦しみを受けた尼僧仲間数人と手を取り合って来ました。そのうち何人かは拘留中に迎えた局面の中で死んでいきました。獄死を免れた幸運な者たちも、現在釈放されていたとしても、多かれ少なかれ生きる屍と化してしまっています。

私の場合、幸運にも合衆国議会及び政府首脳、そして国際社会が中国指導部に働きかけてくれました。指導者であられるダライ・ラマ法王とチベット亡命政権のリーダーたちのご慈悲と、アメリカの指導者たちの積極的な支援のお陰により、私は今日、自由な時間を享受しています。この自由に感謝する一方、同胞の、特に獄中のチベット人たちが受けている苦難に深く思いを馳せます。そこで私はこの機会に、単に政治的権利を行使するだけで拘束され拷問を受けている無実のチベット人たちが自由を得られるよう、合衆国政府があらゆる手を尽くすことを要請します。

その一方で、私は彼等の状況が注目されるために出来る限りのことをする覚悟です。渡米に際して、中華人民共和国憲法に盛り込まれた、囚人も含めた中国居住者に一定の権利を保障する規則や規制について聞かされました。現在の中国の厳戒な体制下でさえ、自由な裁判並びに司法サービスを受けるなどの権利が自分にもあったと知って驚きました。私や受刑者仲間はそのような権利を得られなかっただけではなく、そのような権利があることさえ知らされていませんでした。それで、私はより良きチベット人政治囚の代弁者となれるように、中国の法律を勉強し始めました。

チベット情勢についてのコメントが盛られた2004年度の委員会報告について知りました。中国の国家憲法や、地方やその他の法律でさえ信教やその他の自由に関する条項があるものの、実質的にチベット人には多くの規制が課されているとした報告は正碓だと言えます。例えば、最近メディアで中国の役人が、「チベット人がダライ・ラマ法王の肖像を所持したり陳列したりするのを禁じる正式な法はない」と語っているのを聞きました。「チベット人たちが法王の肖像を陳列したがらないのは自発的なものだ」と言うのです。これらの中国の役人はチベット人の感情に関して無知であるばかりではなく、彼ら役人の言動から、中国政府のチベット人の信教の自由に対する関心の欠如がうかがえます。私がチベットを離れてからまだ1年程度ですので、もし中国当局による直接的・間接的圧力が何もなければ、ほぼ全てのチベット居住のチベット人がダライ・ラマの肖像を掲げると言い切れます。私たちチベット人は私たちの宗教的世俗的指導者ダライ・ラマ法王を誇りに思っており、チベット人のダライ・ラマ法王に対する信心や敬意は薄れてはいません。不幸なことに、チベット人に関する重要な決定のほとんどがチベット人やチベット人の役人によってではなく北京の中国人指導者たちによってなされているのです。

私は「チベット人、そして彼らの宗教、言語、及び文化の将来は、対話を前提とした公正且つ公平な将来を見越した政策決定に懸かっている。ダライ・ラマはそのような対話にとって不可欠な存在である。合衆国大統領と合衆国議会は、中国政府がダライ・ラマあるいはその代理人との実質的な話し合いに携わるよう働きかけ続けるべきである」とする年次報告に折り込まれた当委員会のチベットに関する勧告を支持します。

当委員会は中国情勢を監視し、合衆国政府に対し適当な政策上の勧告をするために特別に設けられたものですから、ここで皆様に次に挙げる件を考慮するよう求めます。まず、トゥルク・テンジン・デレクの件で、来月に入り執行猶予期間が終わり次第、中国政府が彼を処刑する可能性があるため、非常に急を要する問題です。合衆国政府は、この無実のチベット人僧を処刑の危機から救うために介入すべきです。

そして、パンチェン・ラマ問題はチベット人にとって最重要課題です。我々は未だにパンチェン・ラマ11世であるゲドゥン・チョーキ・ニマ少年の所在や安否に関する確たる情報を掴んでいません。合衆国は中国に対し、パンチェン・ラマが健在で宗教教育を施されていることを確認する中立の監査員を受け入れるよう圧力をかけるべきです。

チベット人政治囚の状況は、私自身が最近までその一人であったため、大変切実に感じることです。私は合衆国が中国政府に対し、全てのチベット人政治囚を釈放するよう圧力をかけることを求めます。さらに、中国に対して、釈放されたチベット人政治活動家達の権利を回復するよう要求すべきです。彼らの多くが刑務所の外でさえも迫害に直面し続けていると訴えています。

最終的には、チベットにおける信教の自由問題を恒久的な解決に導く唯一の道はチベットにおける政治問題の解決策を探ることにあるといえます。合衆国は中国政府に対し、交渉によって解決策が得られるよう、ダライ・ラマ法王の代理人との実質的対話を開始するよう、積極的に働きかけるべきです。最後に、私は合衆国政府及び国民に、チベット問題が注目されるべく建設的な役割を果たしていることに、チベット問題の正しい解決のためにダライ・ラマ法王を支援していることに、心より感謝の意を表したいと思います。

Tashi Delek and thank you.


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