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チベット民族蜂起 45 周年
カシャック(チベット亡命政権内閣)声明

(2004年3月10日)

ラサにおいて決起されたチベット民族の平和的な蜂起は、チベット民族の記憶から消えることのない出来事ですが、45 年後の今日、カシャックは、この出来事を記念し、自分たちの生命を精神的、そして政治的大義のために捧げた勇敢なチベット人の男女に感謝の念を表したいと思います。また、今も困難な状況に置かれているチベットの無実の罪で刑に服している人たちとの連帯をここに誓います。

過去 2 年間の 3 月 10 日に発表したカシャックの声明では、これまでに起こった出来事に言及し、否定的、肯定的な進展の両方を評価してきました。話し合いによるチベット問題の解決のためにダライ・ラマ法王の中道路線を実現するカシャックの政策の概要や、チベット人の団結力を強める方法について説明しました。また、最近になって再び確立された中国の指導者との対話について深く論じ、交渉の実現に向けた行動の実践方法をチベット亡命社会に対して訴えました。このような内容は、チベット国内外のチベット人を特に対象として明確に伝えられてきました。すべての人が、このことに気付いていると希望しております。よって、今まで伝えてきたすべてのことをここで繰り返すのではなく、昨年の進展に焦点を当て、特に中国の指導者を念頭に置きながらこのことに関連した将来の計画についてお話したいと思います。

中国の第 3 世代の指導者から第 4 世代の指導者への引継ぎが円滑に実施された後、ダライ・ラマ法王の特使が率いる代表団は、2003年の 5 月と 6 月に中国を再び訪問しました。代表団は新しい指導者と会談を行い、両者の関係を維持するための一歩を踏み出すことに成功しました。代表団はまた、デチェン・チベット自治区などの、チベット国内のいくつかの場所を訪れることができました。カシャックは現在、交渉の実際的な進行の開始について話し合うため、代表団による第3 回目の訪中の実現を目指してその基盤を準備しているところです。この訪中は、中国政府に対して要請済みで、代表団は明確な通知が到着次第、訪中する準備ができています。

2003 年、ダライ・ラマ法王は世界中の各国を訪れ、高い地位に就く多くの指導者と今までに例のない会談を行いました。法王は、中国当局とチベット亡命政権との対話が最近になって再開したことの歓迎や、希望と楽観的な見通しを表明するだけにとどまらず、現在までチベットには目に見える肯定的な進展がないことにも言及しました。とりわけ法王は、以前から懸念しているいくつかの進展に関する意見を明確にしています。2003年 10 月、ダライ・ラマ法王はさらに、チベット支援グループの第 4 回国際会議に寛大にもご出席し、参加者たちに同様のお話をされました。中国の指導者たちはこのような進展に関して慎重な姿勢を示してはいますが、中国の指導者との会談が損なわれることは基本的にはありません。チベット政府に限定すると、会談に貢献できるような環境を作り出すために最善の努力が払われてきました。この件に関しては、国外に居住するチベット人と世界中のチベット支援グループが与えてくださった心からのご協力に深く感謝いたしております。皆さまには、チベット問題が恒久的に解決されるまで、将来に渡って同様のご支援をくださることをお願いしたいと思います。

中国の指導者であれば十分に理解していることですが、故鄧小平氏は 1979 年、チベットの独立以外であればすべての議題を討議し解決することができると提案しました。ダライ・ラマ法王はこれに対し、チベットの歴史的な3 つのすべての県が民主的な統治システムに拠る真の自治を享受することができるのなら独立を求めることはないと応えました。そのときから今日まで、25 年の歳月が過ぎました。中国の指導者は、25年後の今、いつ、いかなる場所でも、またいかなる状況でも、法王の中道政策に対する確固たる確約が不変であり世界中に表明されていることをよく承知しています。しかし、彼らはこの政策に疑念を持っているように見受けられます。それは、鄧小平氏と法王が比類のない勇気を以って行った提案の実現に向けた努力を怠り、時間をいたずらに玩んでいるからです。この事実は利益をもたらすどころか、チベットと中国の両者にとって大きな損失となることが証明されています。一般的な現象として、いかなる政治的問題でも、直ちに対処せずに無視して引き伸ばした場合、その結果は問題の悪化に過ぎません。このことは、私たちの周りで目撃される国際的な問題の経験からも明白です。同様に、チベット問題が直ちに解決されず、指導者たちがいたずらに時間を費やすのであれば、それによる損失はチベット人だけのものではなくなります。これは、中国国民にとっても大きな損失となるでしょう。このような考えは世界の大部分の知識層だけが持つものではなく、正当な理由に基づきこの活発な論争を支援する公正な立場の中国知識層にも浸透しています。言うまでもありませんが、チベット問題を解決するための現実的な対話を開始することができず現状に甘んじて問題を先延ばししてしまうとき、双方のこれからの世代は、中国とチベットの指導者が責任ある行動を取っているとは受け止めないでしょう。

中国にとっては、チベット問題を解決する方法に何の障害もないはずです。政治、経済、または国際情勢であれ、すべての条件は整っています。私たちは皆、対話という非暴力的な過程によって相互に利益をもたらす方法でチベット問題を解決することは、中国の国内外の問題を解決するための有効な模範となることをよく承知しています。このような解決はまた、ダライ・ラマ法王が、人類のために尽くす中、チベット人を含む中国の一般国民に統一をもたらすというこの上ない貢献を、信仰と文化の分野でも果たすことのできる機会をもたらすものです。

ダライ・ラマ法王、そして亡命政府はこのような重要な進展に注意を払いながら、過去の歴史を顧みることを止め、将来をより重要なものであると捉えた上で、柔軟性の高い融和的な方策を選択してきました。そして、チベット人と中国人が、中国の枠組みの中で統一しながら共存するために、付いて回る問題やチベット人の感情に惑わされることなく真の意味での自治を獲得すべく努力してきました。ダライ・ラマ法王が下されたチベット人と中国人の統一という決心は、私たちの一般的な概念を超えた偉大な決定というだけではなく、母国の平等、統一、そして安定を促進するという歴史的な重要性を持つものです。中国の指導者が、目先の利益だけを重視し過ぎることなく、今回の偉大な機会を適切な方法で柔軟性のある視点から見ることができたなら、大きな過去の遺物に別れを告げることができることに疑念の余地はありません。反対に、困難と思われる前提条件を提示し将来よりも過去の歴史に重きを置いて交渉を遅らせるようなことは、双方に益をもたらすものではありません。状況が悪化すると、現在の問題がより複雑になり、解決するのもより困難になります。

現在、その規模にかかわらず世界中のすべての国家、そして自治権を持つ地域、行政区分、地方は、変わりつつある状況に適応し、過去百年以上に起こった変化と進展を基礎として現在の状態を実現することができたのです。過去の歴史において変化することなく誕生した国家、または独立国は存在しないというのは厳然とした事実である以上、過去よりも将来を重視してチベット問題を解決することは、現代の政治的手腕として考えるべきであると確信します。

ダライ・ラマ法王、そして中央チベット政権は、チベット問題を国際問題として取り上げるべきではないという姿勢を取っており、そのような行動を起こしたことは一度もありません。しかし、国際社会において真実と正義を愛する人々は、チベットにおいて破壊されつづける政治の自由、国民の権利、チベット語と伝統、人権問題、そして自然環境を憂慮することを表明せざるを得ない状況にあります。このように表明される憂慮により、チベット問題の本質は国際問題へと間接的に変化しています。チベットにおいて肯定的な変化が見られない限り、このような表明が止むことはないでしょう。

チベット問題の解決を遅らせても自然に解決するだろうという希望は幻想に過ぎません。なぜなら、この問題は個人的な地位や権力に関するものでもなく、また、数人の指導者や個人の将来の名声に関係しているからではないからです。チベット問題は、チベット人のアイデンティティと利益に直接関係しています。そのため、チベット人が存在し続ける限り、指導者や世代が交代しただけでチベット問題が消滅するということがあり得ないのは明らかです。私たちは、事実の中に真実を見つけ、チベット人と中国人の長期に渡る利益を追求することでこの問題に真剣に取り組むことを希望し、新しい世代の中国指導者に訴えたいと思います。また、ダライ・ラマ法王により実現された貴重な機会と状況を無駄にすることのないようにと訴えたいと思います。今回の希望と訴えは亡命チベット人にとっての恩恵や利益ではなく、チベットの 3 つの州(ウー・ツァン、カム、アムド)で暮らしチベット人のアイデンティティと文化を保存する自由を求めるすべてのチベット人の未来に向けた強い願いであるということを再度強調いたします。直接選挙によりチベット亡命政権の広報担当官として選出された私は1992 年にダライ・ラマ法王が、チベットはチベットにおけるチベット人によって統治され、チベット問題が交渉により平和的に解決された後には亡命社会に籍を置く誰もが権力や権利を求めることを望まないと正式に宣言した内容に、まったく変更はないことを改めて強調いたします。チベット人の根気にも限度があり、交渉に基づく解決に異を唱える人たちにより障害が発生する可能性があるという事実を考えたとき、中国の指導者が自分たちの意のままになるこの良き機会と状況を活かし、チベット問題の解決に向けた現実的な交渉をできるだけ早い時期に開始していただきたいという希望を再度強調したいと思います。

最後に、ダライ・ラマ法王のご長寿とチベットの正義の早期実現をご祈念申し上げます。

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