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「チベット議連」に中国が干渉 政界で「嫌中派」台頭の恐れ

「選択」12月号 掲載記事

10月24日午後、国会議事堂に隣接する衆議院議員会館内の会議室。民主、自由両党の国会議員十数人が会合を開いていた。取材する報道陣も少ないささややな集まりだったが、中国駐日大使館だけは会合の結果を求めて激しい情報収集作業を行っていた。会合の主催者は民主党の牧野聖修、五十嵐文彦両衆院議員。六年前に結成したものの自らの落選で休眠状態となっていた「チベット問題を考える議員連盟」再結成の場だった。

大使館が神経を尖らせていたのはチベット独立運動の象徴であるダライ・ラマ法王14世とパイプを持つ二人が、議連を核に、日本政界でチベット独立支持の気運をあおろうとするのではないか、という恐れを抱いているからだ。

二人が今年6月、自民、社民、自由各党の国会議員と再結成に向けた世話人会を組織すると大使館は世話人と個別面談を重ね、「ダライ・ラマは独立を目指している」として暗に参加を思い止まるよう求める説得工作を展開した。かいあってか、この後、社民党の衆院議員が「党の指示」を理由に世話人を辞退した。

さらに数人の脱退者が出たが、牧野、五十嵐両氏は話し合いを頑なに拒んだため、大使館側は八月末から牧野氏らが所属する民主党首脳にも幹部を派遣、活動自粛を求めるに至った。「内政干渉」ぎりぎりの行為だったが、民主党側が「議員活動の自由」を理由に拒否したのは幸いと言えた。

牧野氏らの活動に中国側がこれほど反応したのは初めてだった。転換点は今年四月の台湾の李登輝前総統の訪日とそれを支援する「日本・台湾友好議員連盟」の発足だろう。中国がダライ・ラマと並べて「分裂主義者」と罵倒する李氏の入国が曲折の末、認められた挙げ句、日本に「台湾熱」が広がったのを見て、危機感を深めたに違いない。ダライ・ラマをめぐっても昨年四月の訪日時、石原慎太郎東京都知事との会談が中止に追い込まれ、活動の自由のない法王への同情論が強まるという事態があったばかりだ。中国側にすれば「悪い芽は早めに摘んでおく」ということなのかもしれない。

かつて日本の政界で「中国」問題と言えば、中華人民共和国、つまり中国共産党との関係を意味し、竹下登元首相らの「日中友好議員連盟」人脈が外交そのものにも影響力を行使。それに水差す「台湾」「チベット」問題は「日陰者」扱いだった。しかし、今や、牧野氏らのように中国に気兼ねせず、台湾、チベットの問題に関わろうとする政治勢力が育ちつつあり、中国側の頭痛の種となっている。

台湾民主化やダライ・ラマの国際的活躍、ひいては竹下氏の系譜を引く橋本派の凋落を理由に挙げる向きがあるが、根底には1990年代、高度経済成長を果たした中国が日本にとって政治的大国、軍事的・経済的脅威と映るようになった現状がある。中国政府が強大化、肥大化した自らの姿を認識せず、日本国民に人気のある李氏やダライ・ラマを「仮想敵」とした従来型の対応を取り続けるならば、かえって「嫌中」感情を生じさせることになりかねないだろう。

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