講演「チベット密教と実践」講演手引き


04/04/03 


1 仏教の世界観

「六大無碍にして常に瑜伽なり」(『即身成仏義』弘法大師)

六大=

地・水・火・風・ 空(空間)・識(意識)
四大(物理的要素)
行為(カルマ)→習気→意識に薫習

六道輪廻

  1. 修羅
  2. 人   → 解脱(阿羅漢)
  3. 餓鬼
  4. 畜生
  5. 地獄

2 解脱への方法(四諦)

*苦    = 三苦 
 苦苦・・・病気、怪我
 壊苦・・・喜びの原因が苦しみの原因と変わるもの、普通は喜びの原因と思われるもの
 行苦・・・肉体を持たなければならないこと
*集→無明 = ものは原因や条件などに関係なく絶対的に存在するとの潜在的な思い込み
*滅    = 苦しみの消滅


3 道=悟りに至る方法

(存在しない)  ←  → (思っている通りに存在する)
【対象と概念が一体であるとの思い】

空とは因果関係に関わり無く存在することの否定
空性を直感的に理解する智慧 → 聖者
 主観と客観の対立を離れた不思議な状態
聖者の等引智=空性を直観している境地    ・・智慧資糧の獲得
後得智=空性を直観する禅定から出た後の智慧 ・・福徳資糧の獲得


4 菩薩道

*菩薩とは何か

因果の七法

  1. 一切衆生=母
  2. 感謝
  3. 報恩
  4. 慈しみ
  5. 大悲
  6. 責任感
  7. 発菩提心 = 生きとし生けるものを救済するために仏陀の位をめざす


5 チベット密教独特の考え方 ― 風(ルン)と意識

意識と風(ルン) = 騎手と馬の関係 → 両者は常に一緒で、両者の作用により対象が認識可能
二種類の意識
@ 粗大な通常の意識
A 非常に微細な根源的意識
二つの意識は同時に活動することはない。一方が活動している時、もう一方の意識は活動は停止している。


6 如来・・・真如 = 空

如来の三つの身体
@ 法身 = 常に空性を理解する智慧を備えていること
A 色身  *受用身 = 清らかな意識と風(ルン)でできた清浄な身体
     *変化身 =人々の眼前に現れるための身体


7 大楽とは何か

@ 中央脈管に風(ルン)を入れ、留め、沁みこますことで生じた心の快楽・・・倶生の大楽
A 法身の正体・・・・・・・楽空無別の智慧 金剛杵と金剛鈴


8 死に至る過程 

陽炎 眼が見えなくなり、地中に沈み込むような感覚
・・・感受に対する感覚が希薄になり、耳が聞こえなくなる
。 蛍・・・親戚の名前すら分からなくなる。体温が下降しはじめる
「 灯明・・・ 呼吸が止まり皮膚の感受作用がなくなる
    心の動きを強・中・弱の三段階に分ける
   【強い思い 例 恋人に対する思い】 
   【中間的な思い 例 ペンに対する思い】 
   【弱い思い 例 現在使っている椅子への思い】
」 真っ白に現れたもの   雲ひとつない秋の夜空を満たす月光
、 真っ赤に輝くもの 雲ひとつない秋の星空を満たす日光
・ 暗黒の接近 → 前後不覚の状態  黄昏時の漆黒
ヲ 死の光明 = 主観と客観の対立を離れた不思議な境地


9 中有 = 死の光明の意識と風(ルン)を原因として成立した身体

最大49日の間に再生する身体を見つけるまでの身体
初七日〜小さな死〜二七日〜小さな死〜三七日〜小さな死〜四七日〜小さな死〜五七日〜小さな死〜六七日〜小さな死〜四十九日(満中陰)


10 幻身とは何か

生身の肉体=いくら仏と瞑想しようとも血と肉でできた肉体であることに変わりない
生身の肉体と清浄な意識と風(ルン)でできた仏陀の受容身との掛け橋となるもの
勝義の光明=非常に微細な根源的意識による空性理解の智慧
死の光明を勝義の光明に転換
中有→幻身へ転換


11 双入 = 心身の一体化

幻身 = 最も清らかな身体
勝義の光明 = 最も清らかな智慧
仏陀は一切智者・・・・・・生きとし生けるものに注がれる如来の眼差し
眼差しの注がれる所に如来は降臨する


12 生起次第と究竟次第

* 曼荼羅を観想する前に「空」を観想する意味


【了】