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タイム誌 ダライ・ラマ法王インタビュー

(1999/01/18 タイム誌より)

「私はいつでも対話する用意がある」
ダライ・ラマ法王は中国政府の対応にがっかりしながらもこう語った。


98年11月ホワイトハウスでクリントン大統領とダライ・ラマ法王が会談し、中国政府の指導者が亡命中のチベットの精神的指導者、ダライ・ラマ法王と会うことについに同意するのではないかという希望が高まった。しかし、63歳のこのノーベル平和受賞者と中国間の対話へのアメリカの仲介は直ちに失敗となる。ダライ・ラマ法王はいつにない深刻な様子ですぐにタイム誌のニューデリー駐在局長のマック・チムと南インドのブッダガヤで会い、チベットの自治権の課題について中国政府との対話に向けて努力していたが、挫折を味わったことについて話した。成り行きについて質問されると、「進展は全く無い。何もうまくいってはいない」とにこりともせずダライ・ラマ法王は答えた。

タイム誌:

クリントン大統領の訪中の際、中国がダライ・ラマ法王と対話するのではないかという希望の光が見えた。しかし、それからなにが起きたのか? 対話への扉は閉ざされたのか?

ダライ・ラマ法王:
対話への扉が閉ざされたとは言えない。「閉じる」という表現は正しくないかもしれない。しかし、中国政府からのこちらが理解に苦しむようなシグナルも現れている。今まで中国側とコンタクトを取ってきたある非公式経路も多少閉ざされ、全く機能していない。
タイム誌:

中国の指導者たちは、なぜここに来て対話に向かわない気になったのだろうか?

ダライ・ラマ法王:
近年、反体制者と民主活動に対する中国政府の政策全般が厳しいものになったように感じる。私やチベット人に対する態度も同様だ。強硬論者の勢力が増しているように見える。
タイム誌:

この責任は江沢民主席にあるのか?

ダライ・ラマ法王:
(共産党政治局内に)2つのグループがあることはよく知っている。それは、対チベット穏健派と対チベット強硬派だ。
タイム誌:

次に来るものは何か?対話を持つことが中国側に害が無いということをあなたはどのように説得するのか?

ダライ・ラマ法王:
中国の頑なな態度にもかかわらず、私のとる立場は変わっていない。(チベット自治権要求のための)中道的アプローチに全力を注いでいる。このアプローチは中国の真の安定と和平を実際に達成するために役立つものだ。これこそが、分離を防ぐ実際に役立つ対策なのだ。中国はこのアプローチを歓迎すべきなのに、残念ながらあまりにも疑い深い。中国政府から対話にむけて何らかの積極的なサインがあれば、私は前提条件なく、いつでもどこでも話す用意がある。
タイム誌:

楽観しているか?

ダライ・ラマ法王:
1つ励みになるのは、中国の作家や知識人たちがチベットについて以前より認識しだしたことだ。もちろん、アメリカや西欧の私たちに対するサポートも高まっている。ごく近い将来に関して私は悲観的だが、長期的展望については私は常に楽観的である。
タイム誌:

時には中国の作戦はあなたを無視し、しぶとくあなたより生き延びようとしているかのように感じるが。

ダライ・ラマ法王:
そうだ。(中国の指導者たちの間には)ある1つの見解がある。それは、もしダライ・ラマが死んだら、事態は収拾しやすくなるというものだ。チベットでは一切反抗が無くなるだろうという。しかし、一方ではもう1つの見解がある。それはダライ・ラマがいる限りにおいては中道的アプローチを通じて真の問題解決が出来るのだというものだ。ダライ・ラマがいなかったら、事態はもっと危険で困難になるのだろうと。
タイム誌:

しかしその間、中国政府はチベットの確固たるアイデンティティーの破壊に終始努めているように見えるが。

ダライ・ラマ法王:
それこそが、私の懸念するところだ。チベットの今も続く仏教文化の伝統は、600万のチベット人だけでなく、中国人にも有益なのだ。過去においてチベット仏教伝統が中国人に大変役に立った。将来においても、こうした伝統は中国人がより深い価値観を獲得するために役立つだろう。
タイム誌:

それはどのようにして?中国の人々は価値観を失ったと思うのか?

ダライ・ラマ法王:
今日、彼らにはお金以外に何もない。マルクス主義は何の効果もなかった。どこをみても汚職事件や贈収賄ばかりだ。現在、中国人の間に贈収賄がなくなれば、共産党が破滅するだろう。そしてもし、贈収賄がなくならなければ、そのときは国家が破滅するだろう。精神的価値観に基づく自己規律こそが、贈収賄防止に対する実際の解決策となり得るのだ。
タイム誌:

チベット内において更なる厳重取り締まりがあるとの報告がある。チベット人、特にあなたを精神的指導者であることに対して非難するよう強制されている僧侶や尼僧たちに、何と助言するか?

ダライ・ラマ法王:
よろしい、私を非難しなさいと言う。彼らが肉体的な拷問に直面している場合は特にだ。彼らにそのような痛みを味わせたくない。
タイム誌:

なぜ、中国政府の指導者たちはあなたのことをそれほど恐れるのか?

ダライ・ラマ法王:
(何度も頭を横に振り、笑いながら)わからない。わからない。彼らは巨大な軍事力を持っているが、真理を持っていない。

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