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ダライ・ラマ法王へのインタビュー:
意見の相違、死、政治家などについての見識

(2013年7月1日 CTA

[オーストラリア放送協会] 2013年6月13日放送

シドニーをご訪問中のダライ・ラマ法王をお招きし、チベットの自治や日常生活に深く浸透する科学技術、また、ギラード(オーストラリア)首相との面会が予定されていないことなどについてご意見を伺います。



レイ・セールス(司会者):
── 過去3年間に100人以上のチベット人が中国の政策や残忍さに抗議して焼身自殺を図ったと報道されています。中国に対して非暴力をつらぬいてきた国、チベットとしては気がかりな動きです。
精神的指導者であるダライ・ラマ法王は、抑圧に対して常に平和的アプローチを支持されてきました。しかし、中国の圧力は大きくなり、法王もお年を召されます。現在78歳でいらっしゃいますが、法王の影響力は衰えてきたのではないかという疑問も出てきています。
法王は今回のご訪問も含め、定期的にオーストラリアを訪れていらっしゃいますが、ジュリア・ギラード首相は法王との会談にこれまで一度も応じていません。また7.30(番組名)の報道によると、今年始め、シドニー大学は中国を刺激することを恐れ、当大学で予定されていた法王の講演をキャンセルしました。

本日は番組にダライ・ラマ法王をお迎えしています。
法王、お越しいただきありがとうございます。

ダライ・ラマ法王:

(合掌)

レイ・セールス(司会者):
── 法王が生きていらっしゃる間にチベットと中国の和解は可能だと思われますか?

ダライ・ラマ法王:

ええ、もちろんです。中国は現実を受け入れなければなりませんね。真の自治には、チベットの文化や言語など、こういった独自のものを守り伝えていくという当然の権利があります。一方で、中国の人々と共存することはチベットのためになります。たとえば、チベットは物質面では遅れていますが中国は今や世界の経済大国となりました。ですから、経済面で中国と共存することはチベットの利益になります。自国の支配権だけを考えていたのでは、こういった共存は実現しません。ヨーロッパ連合をごらんなさい。

レイ・セールス(司会者):
── 2009年2月以降、100人以上のチベット人が中国の統制や政策に抗議して焼身自殺を図っています。これはチベット人が非暴力に限界を感じているということでしょうか?

ダライ・ラマ法王:

そうは思いません。焼身自殺そのものが非暴力の実践であると思います。非暴力に限界を感じているような人々であれば、爆弾を使い、犠牲者を多くだそうとするでしょう。でも彼らはそういうことはしません。自分の命を絶つだけです。ですから、焼身自殺は非暴力のひとつの形だと思うのです。

レイ・セールス(司会者):
── 法王が要人でいらっしゃることで、この問題が注目されてきたということを考えると、中国政府は法王が亡くなるのを待ち、さらに過酷なチベット人への弾圧に乗り出し事態の収拾を図るのではないかという不安がおありですか?

ダライ・ラマ法王:

そのように考える強硬派の人もいます。しかし、さらに強硬派の人は、ダライ・ラマが存在するほうが(事態の収拾は)簡単だと感じています。もしもダライ・ラマがいなくなれば、600万人のチベット人を代表するチベット人がいなくなるのですから。

レイ・セールス(司会者):
── ということは、チベット人は、法王が亡くなったあとに起こることを心配しないといけないということですか?

ダライ・ラマ法王:

もちろん、チベットの精神はなくなりません。ダライ・ラマの制度は400年から600年続いていますし、仏教やチベットは2000年以上の歴史があります。ですから、将来的にはダライ・ラマがいなくなってもチベットは存続しますし、チベットの精神もそのままです。

レイ・セールス(司会者):
── オーストラリアのジュリア・ギラード首相が法王との面会を拒否していることに対してはどう思われますか?

ダライ・ラマ法王:

まったく気にしていません。一番の目的は市民のみなさんとお会いすることで、私の一番の役割、一番の関心は、人間の価値、愛情、慈悲、宗教の調和を向上させることですから。ギラード首相は、こういったことにはあまり関心をお持ちではないようですね。(笑)もし首相と政治の話をしたいと思っているのに面会を断られたらがっかりすると思いますが、話すことは何もありませんから。

レイ・セールス(司会者):
── さきほど、中国の経済的影響が強まっているとおっしゃいました。中国の影響力が大きくなると、中国を怒らせないように、世界中の政治家が法王に会うのを避けるということになるのでしょうか?

ダライ・ラマ法王:

いやいや、全然問題ないですよ。本当の変革は外からではなく、チベットの中で起こると思います。

レイ・セールス(司会者):
── 死を恐れていますか?

ダライ・ラマ法王:

不必要に恐れたりはしません。死は人生の一部なのですから。(笑)それに、仏教には輪廻という考え方があります。死とは服を着替えるようなものなのです。服が古くなると着替えるのと同様、身体も古くなれば、新しい身体に取り替えるのです。

レイ・セールス(司会者):
── 人生を振り返られた時、ご自身の意思でダライ・ラマになられたわけではないですね、選択の余地はなかったわけです。ダライ・ラマでなければ違った人生だったのにと思われたことはありますか?

ダライ・ラマ法王:

それも非現実的な問いです。望むか望まないかでなく、私はすでにダライ・ラマだったわけで、自分に与えられた人生を全うし責任を果たすほうがずっといいのです。

レイ・セールス(司会者):
── 法王はいつも幸せそうで落ち着いていらっしゃいますが、そういうフリをすることもあるのですか?

ダライ・ラマ法王:

そういうことはありません。仏教徒として、いつもみなさんに伝えていることは、正直に真摯でなければならないということです。そうすれば、おのずから行動にウソがなくなります。自己中心的な態度で同情的なことを言っても矛盾がでてきます。正直でないと、違う自分のフリをしなければなりません。

レイ・セールス(司会者):
── 怒り、悲しみ、イライラなどをこらえなければならないこともありますか?

ダライ・ラマ法王:

カッとなってそれがすぐに出てしまうこともありますね。ついこの間のことですが、政府の高官が少し遅れてきたのですぐに怒りを伝えました。(笑)こんなふうにね。(指をさして高官をたしなめるふりをする)怒りは人間の心の一部で自然なものでしょ?イライラもそうですよね。でも、怒りを心の中にためないようにすることはできます。怒りの感情が心に定着してしまうと、疑いや不信感など数々のマイナス要素を生み出し、心配事がよけい増えるのです。

レイ・セールス(司会者):
── あまり時間をとって法王をイライラさせてはいけないので、このへんで終わりにしましょう。本日は本当にありがとうございました。

ダライ・ラマ法王:

こちらこそ。(合掌)

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