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チベットの現状

「ダライ・ラマ法王とチベット」より抜粋

現在の中国政府が、「文革」路線の誤りを自覚し、「改革・解放」路線に転じていることは周知のとおりだ。中国側は、1949年に口火を切ったチベット侵略以来、一貫して継続されてきたというのが真相であるチベット人と民族文化への徹底的な弾圧を、全て「文化大革命」と「4人組」の責任とし、現在では、民主主義のもとでチベット人の人権も保証され民族文化が尊重されているかの如く主張している。しかし、それは外国向けの宣伝に過ぎず、現にチベット本土で起きている事実とは遠く懸け離れたものだ。

最近の中国当局による対チベット政策は、より巧妙さを増している。大量の中国人(漢民族)をチベットへ流入させ、数のうえでチベット人を凌駕し、中国人に同化しないと生活してゆけないような状況を作り出しているのだ。現に、チベット全土へ流入した中国人の数は約750万人に達し、チベット人の全人口約600万人を上回っている。このため、チベット人は、自らの祖国においてすら少数民族として疎外されているのである。こうしたことが、チベット人のアイデンティティーや民族文化にとって大変な脅威となるのは、いうまでもないことだ。中国側は、チベット人の民族的独自性を抹殺することによって、チベット問題に最終的な解決をもたらそうとしているのだ。

そしてまた、チベット本土での人権侵害も、現在なお進行中である。同胞の幸せを心から願い、そのためには自らの犠牲も厭わぬ勇気ある人々は、祖国の独立をデモに訴える。あくまで非暴力の抗議行動なのだが、それに対する中国当局の弾圧は容赦無い。デモに参加するときは、「もはや無事に帰れまい」という覚悟が必要だ。「チベット独立」を口にすれば必ず逮捕され、逮捕されれば残虐かつ執拗な拷問が待っている。獄中で性的な虐待や暴行を受けた尼僧たちも数多く、そうした事例はつい最近も報告されている。中国当局の過酷な追及を逃れ、政治亡命を求めてインドやネパールにやってくるチベット人の数は、今でも年間数千人の規模に達している。チベット難民問題は、決して過去のものではないのだ。

さらに中国は、チベットの各地で環境破壊を進めている。森林は根こそぎ乱伐され、木材の大半は中国へ運ばれてゆく。鉱物資源の乱掘や野生動物の乱獲も、目に余るものがある。もっと恐るべきことに、中国はチベットの広大な高原地帯を核兵器の開発やミサイル配備の基地とする一方、核廃棄物の廃棄場としても利用されている。黄河、揚子江、メコン川、サルゥイン川、ブラマプトラ川、サトレジ川、インダス川など、アジアの名だたる大河の数多くが、チベット高原に源を発している。チベットにおける環境破壊により、—とりわけ核関連の不測の事態が発生した場合—これらの河川に依存しながら生活しているアジア各国の莫大な数の人々に、破滅的な被害がもたらされる恐れさえあるのだ。

チベットの地政学的重要性、及びチベット人を武力によって支配する必要性から、中国は核兵器を含めて実に強大な軍事力をチベットに配備している。前述のように、中国占領前のチベットは極めて僅かな軍備しか持たない平和な仏教国家であった。それで、中国、ロシア、インド(英印政庁)という3大国の間に位置し、緩衝地帯としての役割を果たしていたのだ。そのチベットに、中国の強大な軍隊が駐留することで、アジアの中心部における軍事的緊張は極度に高まってしまい、そのような状態は基本的に、東西冷戦の終結した現在も続いている。

以上のように、中国がチベットを占領支配し続けることは、チベット人に絶え難い苦痛をもたらし、ひいてはチベット民族の消滅といった事態すら招きかねない。それに加えて、周辺地域を始めとするアジアの実に広範な国々に、様々な悪影響を及ぼしているのだ。

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